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M&A(譲渡)

【入門編】中小企業経営者のためのM&Aの7つの基礎知識

M&Aの基礎知識

中小企業のM&Aは、後継者問題への有効な対策として、昨今全国規模で大きくフォーカスされています。

しかし、M&Aに興味をお持ちの中小企業経営者にとって、M&Aは少し遠い世界のような気がしているのではないでしょうか。実際、M&Aを始めようと思っても、何からすればいいのかサッパリわからないという人も多いでしょう。

そこで今回は、初心者向けのM&A入門として、

  • そもそもM&Aとは何か?
  • M&Aが急増している理由
  • M&Aの進み方
  • M&A後に社長や役員はどうなるのか?
  • M&Aをすると従業員さんはどうなるのか?
  • M&Aスキームの意味と主流の手法
  • M&Aの価格と税金

についてご説明しましょう。

上記は最低限知っておかなければならない超基礎知識ですので、これを知らずにM&Aに突入するとまず間違いなく失敗します。M&Aを真剣に考えるのであれば必ず理解しておいていただきたいと思います。

M&Aとは何か?

まず、M&Aとは何かについて確認しておきましょう。「『合併と買収』のことでしょ?」と思ったあなたには、ちょっと認識を改めていただく必要があります

M&Aは、通常は「合併と買収」ではない

M&Aの語源はMerger and Acquisition(マージャー・アンド・アクイシジョン)ですから、直訳すると「合併と買収」です。広義には組織再編全般と、買収や企業提携全般を意味します。

しかし、言葉というのは時間とともに語源から離れていくものです。現在となっては、M&Aという言葉には、通常は「合併」の意味はありません

「合併」と「買収」は全然別物

誤解しやすいところですが、「合併」と「買収」という言葉は、全然違う分野の言葉です

  • 合併とは、2つの会社を融合させる「組織再編」のこと(目的は関係ない
  • 買収とは、他の会社・事業の「経営権」を買い取ること(手段は関係ない

このように、「合併と買収」は、手段(の1つ)と目的(の1つ)が同居した意味不明な言葉なのです。

より詳しくは「『合併と買収』は誤訳!【M&A】の本来の意味と実際の使われ方」にて解説しています。

M&A=経営権の売買

そして、「M&A」と言ったら、通常は「買収」のほうを指します

広義では合併などの組織再編も含めますが、通常の意味で語られるM&Aには組織再編の意味はなく、株式売買などの経営権の売買です。

そのため、本記事では、M&A=経営権の売買という前提で話を進めていきます。

中小企業M&Aが急増している理由

中小企業M&Aは現在非常に活況です。背景には、いわゆる「後継者不足」の問題があります。

中小企業の後継者問題

中小企業は多くの場合で、大株主(オーナー)が社長を務めています。

なぜなら、中小企業というのは、社長が会社の全権限を握っていなければ、なかなかうまくいかないものです。しかし、「会社の支配者は株主である」と法律で決まっています。そのため、社長=大株主にしておかないと、社長が思うように経営を行えないのです。

さて、現在多くの中小企業で社長が高齢となり、社長業のバトンタッチが必要な時期を迎えています。そのため、「誰に会社を継がせるか」ということが、全国的に非常に深刻な問題になっているのです。

親族内承継の問題点

子どもが会社を継ぐことを「親族内承継」と言います。これができれば問題ないのですが、今は家業を継ぐことが当たり前である時代ではありません。

自分の人生を自分で選び、自分で見つけた仕事に精を出している子どもを、無理やり社長にすることはできません。これは子ども以外のすべての親族に当てはまることであり、本人がその気でなければ会社を任せることはできないのです。

親族外承継の問題点

いわゆる「番頭」格の部下に継がせる方法もあります。このような親族以外で会社に関係する人に継いでもらうことを「親族外承継」と言います。

親族外承継の問題点として、後継者に株式を買い取るだけの資金力があるかという問題があります。中小企業でも株式の価値は億を超えることは珍しくありません。それだけの資金を用意するのは難しく、後継者が継げない、または株式をほとんど持たない「雇われ社長」になってしまうというケースが見られます(なお、「額面」で売買するのは税金上のリスクが高いです)。

解決策としてのM&A

「親族内承継」は後継者の有無、「親族外承継」は後継者の資金力の有無に問題がありました。これらを解決する手段として、「資金力のある他社に買ってもらうこと」、すなわちM&Aがあります。

M&Aが成功すれば、自社よりも大きな会社が高い値段で株を買い取ってくれます。自分は安心してリタイアでき、さらに多額の売却資金で悠々自適な老後も夢ではありません。また、売却先を間違えなければ、従業員さんたちの継続雇用や活躍の場の広がり、シナジー効果による事業の発展も実現できるでしょう。

ただし、もちろん、良いことばかりではありません。デメリットについては「M&A仲介会社は言わない売り手の9つのデメリット」をご覧ください。また、メリットについても注意すべき点が多々ありますので、「鵜呑みは厳禁!M&A業者が言う『売り手のメリット』7選とその真相」も併せてご覧ください。

中小企業M&Aの進み方

では、M&Aは何をきっかけに始まり、どのように進んでいくのでしょうか。進み方は案件によって様々ですので、以下では中小企業M&Aの一般的な進み方をご紹介しましょう。

M&Aの進み方1.M&Aアドバイザー(仲介会社)がプロセスを取り仕切る

ほとんどの売り手オーナーにとって、M&Aは未知の体験です。そのため、売り手側からM&Aを仕掛けようと思っても、何をすればいいのかわからないでしょう。

そこで、M&Aの専門業者である「M&Aアドバイザー」というコンサルタントの手を借りることになります。

M&Aアドバイザーの必要性

M&Aアドバイザーは、特に中小企業M&Aの場合は必要不可欠な役回りです。

M&Aでは、売り手と買い手で価格や条件を巡る厳しい交渉が待っています。当然、主導権を握ったほうが有利になります。中小企業の売り手オーナーはM&A初心者であることが多く、アドバイザーなしでは熟練した買い手に主導権を握られっぱなしで終わります。

ただし、中小企業専門のM&Aアドバイザーの中には、主導権を握る能力も意欲もない駄目アドバイザーがいますので、後述のとおり選定には気を付ける必要があります。

2種類のM&Aアドバイザー

ところで、M&Aアドバイザーには2つの種類が存在します。1つは「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」であり、もう1つが「M&A仲介会社」です。

両者の最大の違いは、ファイナンシャルアドバイザーは「売り手か買い手の一方の代理人」としてクライアントの利益のために働き、報酬は一方からしか受け取りません(片手取り)。他方のM&A仲介会社は、「売り手・買い手のどちらにも属さない中立の立場」で、双方から報酬を受け取ります(両手取り)。

ファイナンシャルアドバイザーとM&A仲介会社の違いについて、より詳しく知りたい方は、「初めてでも納得!仲介会社とFA、2つのM&Aアドバイザーの違い」も併せてご覧ください。

中小企業M&Aは大半が仲介会社

なお、中小企業のM&Aの場合、多くの場合でファイナンシャルアドバイザーではなく、M&A仲介会社が選ばれます。

これはM&A仲介会社の「営業努力」によるところも大きいですが、ファイナンシャルアドバイザーは「片手取り」のため、中小企業の規模感では報酬が割に合わず、お断りされるという事情もあります。

M&A仲介会社がM&A成功のカギを握る!

実は、どのM&A仲介会社を選ぶかによって、M&Aの成功率は大きく大きく変わります。

この場合の「M&Aの成功」とは、「M&Aの成立」とはまったくの別物です。M&Aの失敗は、売買が成立しなかったことではなく、本来売るべきではない相手・条件にもかかわらず売買が成立してしまうことです。詳しくは「M&Aで一生後悔したくないなら追い求めるべき、たった2つの成功軸」をご覧ください。

昨今、M&A仲介が儲かるビジネスであることが有名になったため、雨後の筍のようにM&A仲介会社が急増しています。また、大手仲介会社でも人材不足なのか、初心者もどんどん採用しています。

厳しい競争により質の悪いアドバイザーが淘汰され、品質競争が起これば業界全体にとっていいのですが、残念ながら今はその逆、全体品質がどんどん下がっています。結果、満足に入札を仕切れなかったり、買い手企業の言いなりになるM&A仲介会社も多いのが現状です。

紹介のウラには紹介手数料あり

なお、M&Aに関する相談を銀行や顧問税理士に最初にする経営者さんも多いですが、ちょっと注意が必要です。

まず、多くの銀行マンや税理士さんは、M&Aのことなんてサッパリわかりません。そのため、とりあえず知っているM&A仲介会社を紹介するという運びになります。

M&Aは「仕入の商売」ですから、M&A仲介会社は売り案件の獲得に必死です。全国の金融機関や税理士とネットワークを築き、M&Aの相談を受けたときは紹介するよう依頼しています。そして、紹介してくれた金融機関、税理士には相当な「紹介手数料」というバックマージンを配っています

バックマージンの存在自体は問題ないと思うのですが、結局M&Aアドバイザーの良し悪しも判別できない銀行や税理士からすると、バックマージンの高いアドバイザーを紹介したくなるのは当然のことです。これにより、依頼者の利益を顧みない無秩序な紹介が行われているのもまた事実なのです。

紹介手数料については「オススメなんてカネ次第?M&Aのウラで動く【紹介手数料】の話」にて詳しく解説しています。

M&Aアドバイザー選定は慎重に!

M&Aアドバイザー選びは絶対に失敗できない最初の正念場です。紹介だけでアドバイザーを選ぶことは絶対にせず、複数のM&Aアドバイザーと面談して、自分の判断で決めることを強くおすすめします。

特に、近年M&A市場の変化から、M&Aアドバイザーに求められる能力は明らかに変化おり、その変化に対応できない時代遅れのアドバイザーが増えてきました。M&Aアドバイザーの選び方については「時代遅れの業者に騙されない初めてのM&A仲介アドバイザーの選び方」をご覧ください。

M&Aの進み方2.オークション形式で買い手を探す

中小企業のM&Aでは、オークション形式で買い手候補を募り、金額等の条件を一斉に出してもらって、どの買い手候補に売るかを決めるという手順で買い手を探すことが多いです(下図)。

M&A入札の流れ

入札方式のM&Aプロセスが選ばれている理由については「初めてのM&Aを入札で成功させるために売主本人が学ぶべき基礎知識」をご覧ください。

買い手候補の選び方

なお、買い手候補は入札の金額だけで選ばれるわけではなく、入札後に価格、条件、社風、面談時の印象などを総合的に勘案して、売り手オーナーの独断で選ばれます。

これは、自身のM&Aや残される部下たちの運命を決める大事な決断ですので、決してその場の感情や目先の利益に流されないようにしましょう。

M&Aの進み方3.入札の後に調査をし、改めて価格交渉

M&Aのオークションプロセスの特徴として、入札で買い手候補が一本化された後に、M&A対象会社が本格的に調査(デューデリジェンスと言います)され、その後改めて価格交渉が行われるという点が挙げられます(下図)。

M&Aの交渉の流れ

入札とは、本来買い手候補が入札対象をじっくり調査してから行われるものです。しかし、M&Aの場合に価格決定要因になるのはその会社の機密情報ですので、買い手候補が多数の状態で大っぴらにできないことがあります。
そのため、一旦開示できる情報のみ開示し、入札を行います。そして買い手候補が1社に絞られた上で、より詳しい機密情報を開示するという手順を踏みます。

当然、買い手にとっては入札の前提が壊れるような情報を入手することもあります。そのような情報が出てきたときは、改めて価格や条件の交渉が行われるのです。

より詳しいM&Aプロセスについて

M&Aの進み方で特に抑えておくべきポイントは上述のとおりです。もっと詳しいM&Aプロセスについては、以下のページで詳述していますので、ぜひご覧ください。

自社争奪戦を起こすオークション入札型M&Aプロセスの流れと要点

M&A後に社長や役員はどうなるのか?

M&A後に自分や役員はどうなるのでしょうか? それを決めるのは買い手ではありますが、一般的にはどうなることが多いのかを確認しておきましょう。

社長は交代し、顧問等を経て退任する

一般的には、M&Aと同時に社長は退任し、新しい親会社(買い手企業)から新社長が派遣されて交代となります。

ただし、M&A直後にサヨウナラということにはならず、一定期間(数カ月~2年ほど)は「顧問」「会長」「相談役」などの肩書で会社に残り、買い手企業とM&A対象会社の架け橋となります。

顧問等の契約期間が満了すれば、晴れて引退となります。これ以降は会社との直接的な関係は一切なくなってしまいます。よく仲介会社が「大手に売ることで会社の成長を後押ししてもらえる」と宣伝しますが、正直、あまり直接的なメリットではありません(気分的にはとても誇らしいとは思いますが)。

一般の役員は継続登用が多い

オーナー社長以外の役員については、後述のケースを除き、継続登用されることが多いです。

M&Aでは、買い手は対象会社の事業・組織をスムーズに引継ぎ、それを発展させていかなければいかないので、組織を激変させることのリスクを重々承知しています。そのため、本人の能力にもよりますが、一般の役員は当面の続投を望む買い手企業が大半です。

オーナー社長の親族役員はケースバイケース

一方、オーナー社長の親族が続投になるかはケースバイケースです。

まず、社長の奥さんが役員の場合は退任することが多いです。特に経理財務を担っている場合、買い手企業としてはさすがに財布を預けるわけにはいきません。

子どもや親戚は、その方の能力や業務、人柄、本人がM&Aで手に入れる財産などを考慮して、ケースバイケースで判断されます。売り手としてもしご希望があるなら、入札前に各買い手候補にそれを伝えておいたほうがいいでしょう。

ただし、役員報酬は「適正な額」に修正されますので、少し色を付けている場合は要注意です。

M&Aをすると従業員はどうなるのか?

中小企業の売り手オーナーさんが、価格と同じぐらい、ときにはそれ以上に気にするのが、M&A後の部下たちの処遇です。不幸になることもあれば、ハッピーになることもあり、それは売り手オーナーが選ぶ買い手次第です。

決める権限は買い手にある

結論から言うと、買収後にリストラを行う買い手企業は存在します。直接的なクビでなくても、無茶苦茶な配置転換を行って自発的な退職に誘導する買い手もいます。

買い手はM&A後に会社のすべての権限を握ります。これは法的に保証される権利であって、元オーナーが口を出す権利はありません。

ただし、リストラや「追い出し」をする買い手はあくまで少数です。多くの買い手は、世間体もあるので無茶なことはしません。このような「常識の通じる誠実な買い手に売却すること」は、オーナー経営者としての最後の大仕事です。

従業員のストレスは想像以上

なお、リストラをするような買い手でなくても、従業員さんたちには甚大なストレスが発生することは、肝に銘じておいてください。

M&Aは秘密裏に進み、契約締結と同時に公表されます。従業員さんからすれば、ある日突然会社がひっくり返るような大ごとで、将来に対して非常に不安を覚えます。

この不安をうまくケアしていかないと、M&A後にリストラもしないのにバタバタと辞めていくという事態が生まれます。

従業員が幸せになるM&Aとは

一方で、従業員さんが新しい環境下で活き活きと活躍する、ハッピーなM&Aも存在します。

これは、売り手オーナーが、自社の組織文化に近い、あるいは理解を示してくれる誠実な買い手を選び、関係者が一丸となって新しい環境下で活躍しようと努力したときにのみ達成されます。

このような状況は事業も伸びていき、売り手、買い手、従業員のすべてがハッピーになる、本当の意味でのM&Aの成功です。

これは仲介会社が宣伝するほど簡単な道のりではありませんが、本当のM&Aの成功を一緒に目指せる買い手を選ぶことができれば、決して夢物語ではありません。

M&Aで従業員さんを不幸にさせないためのポイントについては、「8つの失敗と成功の事例で学ぶ社員を不幸にしない会社売却のコツ」にて解説しています。

中小企業M&AのM&Aスキーム

M&Aスキームとは、M&Aをする際の法的な形態のことです。M&Aは経営権の売買ですので、どのような法形式を使って経営権を売買するかという問題です。

中小企業M&Aでは、以下の4つのM&Aスキームが大半です。

  • 単純な株式譲渡
  • 事業譲渡(営業譲渡)
  • ヨコの会社分割(分割型分割)を用いたスキーム
  • タテの会社分割(分社型分割)を用いたスキーム

これらのスキームについて、詳しくは「4大スキームを図解!中小企業のM&A手法のメリットデメリット比較」をご覧ください。

M&Aスキームの決め方

基本的に、売り手がM&Aプロセスの最初期にてM&Aスキームを決定し、それを前提に入札を進めていきます。なぜなら、M&Aスキームによって会社(事業)の価値が大きく変わるため、1つのスキームを前提に入札をしなければならないからです。

上述のとおり、M&Aスキームには主流の4つの手法がありますが、これらは以下の点で差が出ますので、比較しながら決めていくことになります。

  • 買い手の買いやすさ
  • 売り手の節税効果
  • 買い手の節税効果
  • 売り手の手元に残る財産

具体的な比較・検討の方法については、「後悔しないM&Aスキーム決定のためにプロが実践する手法検討7手順」をご覧ください。

中小企業M&Aで使われないスキーム

なお、書籍や他のサイトには、「第三者割当増資」「株式交換」「合併」などのM&Aスキームが紹介されていることがありますが、中小企業M&Aでこれらのスキームが使われることは極めて稀です。

「第三者割当増資」や「株式交換」は、M&Aというより資本提携であって、大きな会社が小さな会社を買収するという中小企業M&Aの構図にはマッチしません。また、「合併」は多額の税金が発生したり、M&A時の負担が激増するデメリットが大きいため、まず選ばれることはありません。詳しくは「M&Aスキームで「合併」を絶対選んではいけない3つの理由」をご覧ください。

M&A後の合併はよくあるので注意!

なお、合併はM&Aスキームとしてはまず選ばれませんが、M&A後に買い手企業やそのグループ会社と合併することは、ごく一般的な話です。

事業を運営する側として、合併して1つの会社にしたほうが運営しやすいことも少なくありません。このような場合は、買い手の当然の権利として、一定の準備期間後に合併が行われます。

これはリストラと同様に、M&A後に合併をするかしないかは買い手企業が決めることですので、元オーナーに拒否権はありません。M&A後の合併が嫌ならば、合併を考えていない買い手候補を探すしかありません。

M&Aの価格と税金

M&Aで非常に重要なのが、おカネにまつわることです。上述のとおり、売り手オーナーはM&Aを期に引退することが多く、おカネの問題で失敗すると取り返しがつきません。

M&A価格の決まり方

よく公認会計士などが、「御社の株式の適正価格を算定します」などと宣伝しているのを見かけます。DCFだの、マーケットアプローチだのと、小難しい言葉を使って「なんか凄そうなこと」をしてくれます。

ただ、筆者も公認会計士なので申し上げますが、このようなサービスに大した価値はありません。なぜなら、M&Aの価格は「適正価格」では決まらないからです。

では、M&A価格はどのように決まるかというと、ひとえに買い手の主観で決まります

会社というのは芸術品と一緒で、買い手が価値があると思えば高くなるし、価値がないと思えば安くなります。このような主観で決めた価格を持ち寄るのがオークションであって、一番強気な主観を持っていた買い手候補が有利になるということです。

M&A価格の相場観とは?

とはいえ、やっぱりマーケットの相場観というものは存在します。これは、同業・同規模の会社がどのぐらいの価格でM&Aされたかという情報を元にしています。

そのため、自分の会社の相場観を知るには、同業種のM&Aに詳しいM&Aアドバイザーに訊くしかありません。情報は現場にしかないので、現場に張り付いている人を探しましょう。詳しくは「何の利益の何年分?M&Aの【株価目安】の見積り方」をご覧ください。

M&Aの税金

M&Aで株式を売却すると、売却益に対して税金が発生します。

個人が所有している株式を売却した場合、一律で20.315%の所得税等が発生します。

また、法人が所有している株式や事業を売却した場合は法人税が発生しますし、M&Aスキーム次第で消費税や不動産取得税、登録免許税が発生することもあります。詳しくは「初心者でもすぐわかる!中小企業M&Aの税金をパターン別に徹底解説」をご覧ください。

さらに、退職金を活用したり、M&Aスキームを工夫したりすることで、節税を図ることができます。M&Aの税金や節税手法について、詳しくは「【図解】株式売却M&Aで税額が半分にもなる個人売主の3つの節税策」にて解説しています。

おわりに

M&Aを検討する上で、中小企業オーナーが最低限知っておかなければならない基礎知識は上述のとおりです。

ただし、あくまで最低限ですので、リンク先を参照するなどして更なる知識の補強に努めましょう。M&Aを成功させるためには、売り手自らがM&Aに関する正しい知識を仕入れることが不可欠です。

ぜひ本記事の内容を頭に入れていただくとともに、本サイトの他の記事もしっかりと読み込んでみてください。きっとM&Aの成功に大きく近づけるでしょう。

事業承継M&Aが失敗に終わるシンプルな理由とは?

事業承継を目的とした中小企業のM&Aは、多くが「失敗」と言わざるを得ない結果に終わります。


現実に、仲介会社のペースでM&Aを成立させてしまい、取り返しのつかない後悔を人知れず抱いている元経営者は少なくありません。


実は、事業承継M&Aが失敗しやすいということは、少し考えればすぐにわかるシンプルな理由からです。


あなたがM&Aを成功させたい、後悔したくないと強く考えているなら、事業承継M&Aの構造をきちんと理解しておきましょう。


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