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M&A(譲渡)

これがM&Aの第一歩!【M&Aの成功定義】の7つのステップ

M&Aの成功の定義方法

M&Aを真剣に検討し始めたら、何よりもまず「M&Aで何を実現したいのか?」を明確にしましょう。それは、これから長い期間を掛けて目指すべきゴールをはっきりさせることです。

多くのM&A失敗事例を見てきましたが、その原因を突き詰めていくと、結局は「M&Aの目的が曖昧であった」「良い相手に良い値段で売れればいいな程度に考えていた」という事例がかなりの数を占めます。M&Aの目的を明確にすることは、M&A成功の大前提条件と言っても過言ではありません。

弊社では、M&Aの目的を明確にすることを「M&Aの成功定義」と呼び、定義された成功の達成を全力でサポートすることをお約束しています。

今回は、M&Aの成功定義の方法について、弊社が推奨している7つの手順をご紹介します。本稿の手順を確実に進めていただければ、誰でも簡単にM&A成功の土台ができあがるでしょう。

M&Aの成功定義の重要性

M&Aの目的を明確にすること、すなわちM&Aの成功定義は、実際にM&Aを成功に導くためには必要不可欠なものです。

M&Aは半年から1年の期間でプロセスが進んでいきますが、その間は通常の社長業と並行して、秘密裏に話を進めていかなければいけません。非常に忙しい中で、その後の人生を大きく動かす重要な判断が連発します。そして、早く対象会社を手に入れたい買い手にも、社内ノルマに追われたM&Aアドバイザーにも、急かされながら短時間で決断をしなければなりません。

M&Aは一度成立したら二度とやり直しはできません。怒涛の決断の連続の中で、一生後悔しない的確な判断をするにはどうすればいいでしょうか?

決して後悔しない判断を的確に行うためには、「そもそも自分はM&Aで何を実現したいのか?」を明確にし、それを判断のよりどころにすることです。M&Aプロセスの再序盤で自分が目指すべき方向性を明確にしておき、それに近づけるなら是、遠くなるなら非という判断基準を明確に持っておきましょう。

M&Aの「成立」は「成功」ではない

この際、絶対に混同してはいけないことがあります。それは、「M&Aの成立と成功はまったくの別物」ということです。

M&Aを真剣に検討した結果、「買い手が見つからなかった」「条件が合わずに破談になった」というのは、確かに時間とお金を費やしていますが、M&Aの失敗ではありません。

M&Aの本当の失敗とは、自分が本心では望まない相手や条件でのM&Aが成立してしまい、取り返しのつかない結果に一生後悔しつづけることです。

つまり、たとえM&Aが成立したところで、自分が満足できないのでは何の意味もありません。それどころか、売れなかったほうが遥かにマシです。

M&Aの成功が何かについては、「M&Aで一生後悔したくないなら追い求めるべき、たった2つの成功軸」にてより詳細に書いています。M&Aの成立と成功の違いについては、本稿の大前提にもなる非常に重要な概念ですので、ピンとこない場合は必ずご一読ください。

M&Aの成功定義は人それぞれ

M&Aの失敗は「後悔するM&Aをしてしまうこと」であり、M&Aの成功は「満足のいくM&Aができたこと」です。すなわち、M&Aが成功か否かは、本人の心の問題です。

したがって、M&Aの成功定義は人それぞれです。「高値で売れれば問答無用でM&A大成功!」という人もいれば、「お金はほどほどでもいいから従業員の雇用維持が最優先!」という人もいます。

これは買い手を選ぶときだけ意識すればいいわけではありません。お金最優先でM&Aをするなら、インフォメーションメモランダムに「従業員の雇用維持にはこだわらない」と書くべきですし、逆に雇用維持を絶対条件にするなら、「雇用維持が難しいなら入札しないでください」と書くべきです。

M&Aの最重要資料であるインフォメーションメモランダムの意味や書き方については、「M&A売価に3倍差が付くインフォメーションメモランダムの記載内容」をご覧ください。

M&Aの成功定義は人それぞれなので、買い手としては売り手がどんなタイプかを見極めて条件を入札します。M&Aの相手探しは「縁」ですが「運」ではありません。買い手に何をアピールしてほしいのかを明確にできなければ、それに応えられる買い手を探すのに間違いなく苦労します

M&Aアドバイザーのペースに要注意!

なお、売上の大半が成功報酬であるM&Aアドバイザーにとっては、M&Aの成功=成立であり、M&Aの不成立=失敗です。

彼らはその前提で会話をしていますので、M&Aアドバイザーと話しているうちに、なんとなく「M&Aの成立を目指さなければ」と感じてしまう売り手オーナーさんは少なくありません。

常に自分とは違う方向を向いているM&Aアドバイザーのペースに巻き込まれないためにも、自分自身の成功定義をしっかりと持っておく必要があります。

M&Aの成功を定義する7つのステップ

それでは、いよいよ実際にM&Aの成功を定義するにはどのような手順を踏めばよいかをご紹介していきましょう。

まずは「お金以外の成功条件」を明確にし、次に「それを踏まえていくら欲しいか」を考えていきます。

Step.1 「自己分析シート」を書いてみよう

まず、「自分のこれまでの半生」を文章にして書き出してみましょう(弊社ではこれを「自己分析シート」と呼んでいます)。

なぜそんなことをするかというと、「M&Aで何を実現したいか?」はあくまで本人の主観的な問題なので、先に自分がどういう人間で、どんな価値観を持っているかを自分で再認識するためです。

Wordなどのワープロソフトで、A4用紙で半ページ~1ページほど(400~1,000字程度)でまとめてみてください。誰かに見せる物ではないので、日経新聞の「私の履歴書」を1日分任されたような気分で気楽に書いてみましょう。文語調でも口語調でも、書きやすいように書いてください。

書く際のポイントとして、これまで自分が人生を懸けて頑張ってきたビジネスを話題の中心にすることと、自分の心の動き(なぜこの事業を始めたのか、事業運営でこだわってきたことは何か、など)を盛り込んでみてください。

このような自分の経歴紹介は、M&Aプロセスが進んだ際の「トップ面談」における定番の話題ですので、その準備原稿と考えても書きやすいかもしれません。トップ面談については「最良の後継者を選ぶM&Aでのトップ面談の7つの意義と6つの準備」でご紹介しています。

Step.2 M&Aの検討に至った経緯を書き出す

「自己分析シート」の延長のような形で、「なぜ今回M&Aを検討することになったのか」を書き出してみましょう(弊社ではこれを「関心分析シート」と呼んでいます)。文章での記載をおすすめしますが、書きづらければ箇条書きでも構いません。

これは、後のステップでまとめる「M&Aで実現したいこと」の下資料になります。

この文章には、以下のポイントを含めましょう。

  • 事業承継に関してこれまで悩んでいたこと
  • M&A以外で、悩みの解決策になるかもしれない手段
  • その手段をすぐに選択しない(できない)理由
  • M&Aに興味を持つことになったきっかけ
  • M&Aで解決できるかもしれないと思っていること
  • おそらくM&Aでは解決できないであろうこと

実は、この関心分析シートがM&A成功定義の一番の重要資料になります。何度も書き直し、差支えのない範囲内で他人に見せて意見をもらってもいいでしょう。

Step.3 M&Aで不安に感じていることを書き出す

M&Aは多くのメリットがある反面、デメリットもある劇薬です。自分の立場で、M&Aに対して不安に感じていることを書き出してみましょう。これは箇条書きで大丈夫です(弊社ではこれを「忌避事項リスト」と呼んでいます)。

M&Aを熟知していないと、M&Aのデメリットやリスクを見落としてしまうことはあるかもしれません。ただ、現段階で何に不安を抱いているかを書き出してみてください。

M&Aのデメリットやリスクについては、「M&A仲介会社は言わない売り手の9つのデメリット」や「見落とすと取り返しがつかないM&Aの売り手のリスク7選」でご紹介していますので、参考にしてみてください。

Step.4 M&Aに求めるポイントを箇条書きにする

「関心分析シート」と「忌避事項リスト」が書き上がったら、改めてそれを見直し、自分がM&Aで何をしたいのかを箇条書きにしてみましょう(弊社ではこれを「目標リスト」と呼んでいます)。

基本的には関心分析シートの内容をベースに、「だから〇〇をするためにM&Aを検討している」という説明ができるよう、リンクした内容にします。もしこれがうまく書けないのであれば、関心分析シートを何度でも書き直しましょう。

また、「忌避事項リスト」の内容から、「これはぜひとも避けたい」と感じているポイントも書いていきましょう。

Step.5 箇条書きのポイントに優先順位を付ける

「目標リスト」で箇条書きにした「自分がM&Aで何をしたいのかリスト」の内容を1つ1つ読み返し、それが自分にとってどれだけ重要な条件なのか、優先順位を付けていきましょう。

優先順位は以下のとおりです。

記号 優先度 重要性
S 絶対条件 これが実現できなければ無条件で破談。
A 優先条件 最悪1~2個ぐらいは譲歩できるが、これができない相手は基本的にはお断り。
B 差別化条件 SやAをクリアした買い手候補同士を比較するときにポイントになる条件。これをクリアしているほうが優先度が高い。
C 希望条件 ダメでも最悪譲歩可能。破談にするほどのものではない。可能な限り応じてほしい条件。
D できれば条件 あまり重視しない条件。

このときの重要性の判断の参考になるのが、Step.1で作った「自己分析シート」です。自分が何者なのか、どのような価値観を持って歩んできたのかを頭に入れ、一生後悔しない価値判断を考えましょう。

Step.6 優先度に応じて「M&A成功定義シート」の下書きを作る

「目標リスト」の内容を眺めながら、自分にとってのM&Aの成功とは何か、その定義を明確にしてみましょう(弊社ではこれを「M&A成功定義シート」と呼んでいます)。これは文章での作成がおすすめです。

M&A成功定義シート作成のポイントは、「私にとって〇〇とは・・・」で始まる以下の4つの段落を作ることです。

  • 私にとって、M&Aの大成功とは・・・、なぜならば・・・
  • 私にとって、M&Aの成功とは・・・、なぜならば・・・
  • 私にとって、M&Aの失敗とは・・・、なぜならば・・・
  • 私にとって、M&Aの大失敗とは・・・、なぜならば・・・

この「私にとって」は、「私や私の家族にとって」になることもあります。いずれにせよ、判断の主体は明確にしておきましょう。

また、M&A成功定義シートを作成するときは、上述の「優先度D/できれば条件」は無視してしまうのがコツです。はっきり言って、優先度Dの差でM&Aの成功/失敗が変わることはありません。

なお、この段階ではM&A成功定義シートはまだ下書き状態です。下記の希望価格を入れて初めて完成です。

Step.7 希望価格水準を決め、成功定義シートに書き加える

最後に、いくらで会社を売りたいか、その希望価格を決めます。

とはいえ、M&Aアドバイザーにコンタクトもしていない段階では、価格相場の目安感もわからないため、書きづらいでしょう。

M&A価格の相場や目安は、公認会計士の企業価値評価や「営業利益の何年分」といった計算で概算できるものではありません。詳しくは「何の利益の何年分?会社売却M&Aの【株価目安】の見積り方」をご覧ください。

とはいえ、「成功定義」という観点から言えば、「このぐらい貰わないと割に合わない」という水準を持てれば十分です。価格相場に比べて高すぎるようならM&Aをやめればいいだけですし、低すぎるなら後で目線を高くすればいいだけのことです。

そのため、「役員報酬の〇〇年分、プラス退職金代わりに〇千万円」という考え方をおすすめしています。

なお、実際には税金やアドバイザー報酬などの諸経費、節税スキームの選択による手取りの変動などがありますが、この段階ではそこまで考える必要はありません。M&Aスキーム検討やM&Aアドバイザー選定の中でブラッシュアップしてきましょう。

M&Aの成功定義は最優先!

今回は、弊社がM&A成功の最重要前提事項と考える「M&Aの成功定義」についてご説明しました。本稿でご紹介した手順を妥協なく進めれば、後悔のないM&Aの土台を築くことができるはずです。

M&Aの成功定義は、その後のM&Aプロセスすべてに関わってきます。必ず最初期段階でじっくりと考え、後悔のないM&Aを目指してきましょう。

事業承継M&Aが失敗に終わるシンプルな理由とは?

事業承継を目的とした中小企業のM&Aは、多くが「失敗」と言わざるを得ない結果に終わります。


現実に、仲介会社のペースでM&Aを成立させてしまい、取り返しのつかない後悔を人知れず抱いている元経営者は少なくありません。


実は、事業承継M&Aが失敗しやすいということは、少し考えればすぐにわかるシンプルな理由からです。


あなたがM&Aを成功させたい、後悔したくないと強く考えているなら、事業承継M&Aの構造をきちんと理解しておきましょう。


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