M&A(譲渡)

死んでも後悔しないM&Aのためのアドバイザー・仲介会社の選び方

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M&Aアドバイザー・仲介会社の選び方

中小企業の事業承継型M&Aは、自分が人生をかけて育ててきた会社と、それを支えてくれた部下たちの未来を左右する大きな決断です。

素晴らしい買い手にバトンタッチして、しかも大金を手にハッピーリタイアとなるオーナーさんも多いのですが、一方でM&Aがうまく成立しなかったり、想像以上に安値で買い叩かれてしまったり、M&A後に会社をめちゃくちゃにされてしまったというオーナーさんも多いのが事実です。このような事態は恥であるため表には出てきませんが、相当数のオーナーさんが泣きを見ていると感じています。

このような、売り手にとっては最悪の事態になる原因は様々ありますが、実はM&Aアドバイザー(仲介会社等)が根本原因であることは少なくありません。M&Aアドバイザー選びは慎重に行う必要があります。

今回は、「死んでも死にきれない」事態に陥るリスクを大幅に下げる、上手なM&Aアドバイザーの選び方をご紹介します。

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死んでも死にきれないM&Aアドバイザー選びの失敗とは

まずは、前述のようにM&Aが成立しない、予想以上に安値で買い叩かれる、M&A後に会社をめちゃくちゃにされるという悲劇がなぜ起きるのか、その原因について確認しましょう。

売り手がM&Aに大失敗する理由

M&Aが大失敗する理由には、主に以下の3点だと考えています。

  1. 会社にそれだけの価値がなかった
  2. M&Aアドバイザーに仕切り能力がなかった
  3. 不誠実な買い手候補を選んでしまった

以下でそれぞれ解説します。

M&A失敗要因1.会社にそれだけの価値がなかった

会社は買い手の評価額以上では売れません。売り手はこの値段で売りたいという思いがあっても、買い手がそんなに出せないと思えば成立しませんし、無理に成立させるには低い値段で売るしかありません。

これは本来の適正価格で売れたということであって、「死んでも死にきれない」と思うのはお門違いかもしれません。しかし、ゴリゴリ系の仲介会社は、専属アドバイザー契約を結ぶ前は「最近この会社が〇〇億円で売れましたよ!」「今なら貴社は〇〇億円は固いですよ!」という営業トークを使い、オーナーを売る気にさせることがあります。この場合は、オーナーに同情を禁じえません。

なお、事業の価値を短期間で引き上げることはできませんが、M&Aスキームを工夫したり、インフォメーションメモランダムの記載を充実させることで、会社の価値が上がることがあります。このような手法の手を尽くしても売れなければ仕方ないですが、中途半端な努力で諦めるM&Aアドバイザーも少なくありません。

M&Aスキームについては「【図解】4つのM&Aスキーム(売買手法)のメリットデメリット比較と検討要素」を、インフォメーションメモランダムの記載内容については「誠実な入札を引き出すインフォメーションメモランダムの項目と内容」をそれぞれご覧ください。

M&A失敗要因2.M&Aアドバイザーに仕切り能力がなかった

昨今は事業承継問題が盛んに叫ばれています。そして、M&A仲介会社が「ものすごく儲かる」ということが広まり、最近は人材紹介会社までM&Aビジネスに乗り出しました。

M&Aアドバイザーには「M&A仲介会社」と「ファイナンシャルアドバイザー(FA)」の2種類があります。両者の違いについては「仲介会社とFA、2種類のM&Aアドバイザーの違いとは?」をご覧ください。

そこがどうこうではないのですが、M&Aは間を取り持つ担当者の能力が最重要です。担当者が能力不足だと、情報の提供不足から売り手と買い手の認識がずれてしまい、最終交渉でまったく話がかみ合わなくてブレイク、ということになりかねません。私が買い手側で参加していた案件では、あるFAの担当者の伝達ミスでシミュレーション計算が大幅に狂い、デューデリジェンス中に入札額を取り下げざるを得なくなり、最終的には破談になりました。

新規参入組だけではなく、大手仲介会社も新任担当者が多く、適正なスキル水準に達していない方が散見されます。ある信頼していた大手仲介会社から、従来と比べて明らかに低レベルなインフォメーションメモランダムが届いてガッカリしたこともあります。相手の能力は個人レベルでしっかりと確認することをお勧めします。

M&A失敗要因3.不誠実な買い手候補を選んでしまった

不誠実な買い手候補とは、たとえば入札でわざと大幅な高値を出し、デューデリジェンス後競争相手がいなくなった段階でいちゃもんを付けて大幅な減額を迫る買い手候補のことです。

一般に入札で買い手候補を1社に絞り込み、デューデリジェンスを経て最終的な価格交渉を行います。中小企業M&Aで主流であるオークション入札型M&Aのプロセスについては「仲介会社のオークション入札型M&Aによる売却プロセスのすべて」をご覧ください。

M&A仲介会社の立場としては、「そんな買い手候補を選んだ売り手オーナーが悪い」というでしょう。それは1つの事実です。

しかし、不誠実な買い手候補はインフォメーションメモランダムをしっかり作りこむことで相当減らすことができます。案件の成約率を高めたい仲介会社が幅広く買い手候補を集めた結果、質の悪い買い手候補が参入し、不十分な情報提供で隙を作っているという構図も少なからず見てきました。

結論として、M&Aアドバイザーの要因は大きい

以上のようにM&Aの失敗要因を見てきましたが、M&Aアドバイザーに問題があったり、M&Aアドバイザーがもっとしっかりしていれば防げた失敗は少なくありません。

死んでも死にきれない後悔を防ぐために、しっかりしたM&Aアドバイザーを慎重に選んでほしいと思います。

M&Aアドバイザーに求められるスキルとは?

上述のような失敗を防ぐためには、しっかりしたスキルのあるM&Aアドバイザーを選ぶことです。では、M&Aアドバイザーにはどんなスキルが求められるのでしょうか。

組織力より個の能力・特性が最優先

M&Aアドバイザーは組織の大きさではなく、担当者個々人の能力や誠実さなどで選んでいただきたいと思います。

M&Aの業界では情報管理が重要であるため、隣の席の人が何をやっているのかわからないということも珍しくありません。どのみちごく少人数でM&Aを仕切りますので、組織規模はあまり重要ではないのです。しかも人の入れ替えも非常に激しい業界のため、大きな会社でも素人同然の担当者は少なくありません。

また、1件決めれば数千万円の収入が入るビジネスでもあるため、腕に自信のあるアドバイザーは独立し、1人または少人数で仲介会社やファイナンシャルアドバイザーを運営することも少なくありません。こういう個人事業のような会社にもすごいスキルを持つアドバイザーはいますので、小さな会社でも侮れません。

大量の買い手情報の良し悪し

全国の様々な業種の会社が登録し、多くの買い手候補に声を掛けられることをウリにする仲介会社も多いですが、メリットとともにデメリットもあることに気を付けましょう。

大量の買い手情報のメリット

まずメリットですが、M&Aが成立する可能性は高くなります。同業他社以外にも声が掛けられるため、思わぬ買い手とマッチングできるかもしれません。

特に異なる地域の名前も知らない優良企業に買ってほしいのであれば、大量の買い手情報は必要です。

また、なかなか買い手がつかない場合、間口を広くするという選択肢はありでしょう。

大量の買い手情報のデメリット

買い手情報が多いということは、その分会社の情報が出回るということです。実際には異業種間のM&Aは滅多にあるものではなく、可能性が低い会社が「興味本位」や「仲介会社に対する付き合い」でインフォメーションメモランダムを取り寄せることもあります。取引先に情報が流出し、営業面で不利になることもありえます。

また、大量の買い手候補が参加するということは、不誠実な買い手も参加する確率が高まるということです。世の中にはシナジーも何もなく、手当たり次第買うことが自己目的化してしまった会社もありますので、このような会社に引っかからないよう注意する必要があります。

このような買い手候補は「ショートリスト」の作成によって排除していく必要があります。ショートリストの作り方については「ぜひ売りたくなる相手とのご縁をつなぐM&Aショートリストの作り方」をご覧ください。

オークションは参加者が多いほうが有利?

オークション入札型のM&Aでは、参加者が多いほうが高値が付きやすいと思うかもしれません。

確かに、思わぬシナジー効果を見込んでくれる会社に偶然巡り合う可能性はあります。しかし、実際には業界大手が高値を出すことが大半ですので、そんなに大きな効果はないのでは?というふうに感じています。

ただし、入札者が極端に少ないことが買い手候補にバレると足元を見られますので、その意味では「枯れ木も山の賑わい」かもしれません。(枯れ木にされたほうは面白くないですが)

経験に勝るものなし

M&Aのアドバイザーは、何よりも経験値が物を言います。複数のM&Aアドバイザーと会話してみると、どちらが経験値を持っているかはすぐにわかります。

なお、経験値と言っても、証券会社で大手企業や準大手企業のM&A経験しかない人には要注意です。大手企業・準大手企業と中小企業のM&Aは別物です。大手企業の経験が無駄になることはないですが、中小企業未経験だと、まともなM&Aはできません。

財務・税務の知識は必要不可欠

M&Aの一方の代理人のことを「ファイナンシャルアドバイザー」といいますが、それほどM&Aアドバイザーには財務・税務の知識が不可欠です。

M&Aアドバイザーは売り手と買い手の間に入って交渉を仲介しますので、両者の言っている財務に関する専門用語や基本概念が理解できない仲介者は論外でしょう。しかし、残念ながらそのようなアドバイザーは少なからず存在します。

また、オーナーさんの財産を守るためには、M&Aスキーム別の節税額や手残り財産のシミュレーションはプロに任せるとしても、その計算構造は担当者レベルでちゃんと理解していただく必要があるでしょう。これが理解できていない担当者では、刻々と変わるM&Aの状況の中で、計算前提が崩れていることに気付かないことになります。

また、M&Aアドバイザーの財務に対する知識が不足していると、間違いだらけのインフォメーションメモランダムが作られ、デューデリジェンス後の混乱や、不誠実な買い手の攻勢を受ける羽目になります。

インフォメーションメモランダムにあるべき記載内容については、「誠実な入札を引き出すインフォメーションメモランダムの項目と内容」をご覧ください。また、インフォメーションメモランダム作成段階でM&Aアドバイザーの能力に疑問を感じた場合、真剣に契約解除を検討することを強くおすすめします。詳しくは「マトモなIMが作れないM&A仲介会社は即契約解除すべき5つの理由」をご覧ください。

業界事情にも詳しいほうが良い

調剤薬局や電気工事業など、M&Aがホットな業界の場合、その業界に特化したM&Aアドバイザーが登場します。彼らは業界独特の商慣行や会計慣行に詳しいため、割とお勧めです。

もちろん、他の求められるスキルが申し分ない場合ですので、その点は総合的に考えましょう。

そうは言っても人柄は重要

なお、なんだかんだ言っても、人柄がM&Aの成功に重要な要素であることは間違いありません。

M&Aは人生をかけて育ててきた会社を「買収」されることですので、不愉快なことも時には起こるものです。頭に来たとき、感情的にならない相手であることが、不用意な破談を避けるためには意外と重要な要素であることは事実でしょう。

なんとなくイライラするような人や、自己主張が強すぎるような人は、ちょっと敬遠したほうがいいかもしれません。

後悔しないM&Aアドバイザーの選び方

では、どうすれば後悔しないM&Aアドバイザー選びができるのでしょうか。そのコツは、自分にぴったりのM&Aアドバイザーかどうかをしっかりと「品定め」することです。

複数のM&Aアドバイザーに会うこと

M&Aアドバイザーは独占業務委託契約ですが、これを結ぶ前は何人でもM&Aアドバイザーに会うことができます。(とはいえ、情報が流れるので無闇に会いまくるのはおすすめしませんが)

M&Aアドバイザーに1社しか会わないと、そのアドバイザーのスキルも人柄も比較できません。ぜひ複数のアドバイザーと話をし、自分にとって最適な1社を選んでください。

「紹介されたから」でM&Aアドバイザーを選ばないこと

失敗したときに120%後悔するのが、他人から紹介されたM&Aアドバイザーを、他と比較せずにそのまま契約してしまうことです。

取引銀行や顧問税理士などに相談したところ、すぐに大手仲介会社を紹介され、紹介者との義理で契約してしまう方もいますが、結構危険なパターンです。実際、仲介会社にとっては紹介が最大の収益チャネルですので、社内研修で担当者のスキルアップをするよりも、金融機関・会計事務所廻りや紹介手数料に力を入れているような会社もあります(経営的にはそれが正解かもしれませんが)。

銀行や顧問税理士にM&Aを相談するときは、必ずといっていいほどM&Aアドバイザーへの紹介につながりますので、断れない義理のある相手に最初に相談することはやめたほうがいいでしょう。

多くの中小企業オーナーにとって、M&Aの初期的な相談相手は非常に悩ましい問題です。相手の特性をよく理解して、相手のペースに巻き込まれないようにしましょう。詳しくは「巧みな話術に要注意?株式譲渡M&Aの初期の相談相手とその裏側」をご覧ください。

また、弊社にも多くのM&A仲介会社の方から「売り手情報があれば紹介してほしい、紹介料は弾むから」というご依頼がたくさんあります。大変ありがたい話と思っておりますが、その前に「当社の紹介を希望するM&Aアドバイザー様にご了承いただきたいこと」をよく読んでいただき、弊社からご紹介させていただくときの基本的な考え方をご理解いただければと思います。

報酬体系は結構違う

M&Aアドバイザーの報酬については、以下の4つがよくあるものです。

  • 成功報酬
  • 着手金
  • 中間時金
  • 月額報酬(リテーナーフィー)

成功報酬以外は、M&Aアドバイザーによって発生したりしなかったりします。

M&Aの世界では「ケチと小心者は成功しない」という言葉がありますが、アドバイザー報酬の差は以下の理由で結果として無視できないほどに大きくなることがあります。

成功報酬の計算方法は業界一律ではない

成功報酬は「レーマン方式」と呼ばれる業界で一般的な計算方法により、その価格が計算されています。成立したM&A価格に応じて金額が大きくなります。

ただし、業界で共通しているのは計算方法だけであり、その計算の仕方はそれぞれまったく異なります。対象会社の状況次第では、2~3倍の価格差が生じることもあります

報酬については、M&Aアドバイザーの説明をよく確認しましょう。「うちの会社の株式が〇億円で売れたら、アドバイザー報酬はいくらになるの?」とストレートに聞くのも大切です。

レーマン方式やM&Aアドバイザーの報酬全般に関しては、「レーマン方式って何?M&Aアドバイザー・仲介会社の報酬の仕組み」にて詳述していますので、併せてご覧ください。

買い手の報酬も実質は売り手が負担する

なお、仲介会社の場合は売り手と買い手双方にアドバイザー報酬を請求しますが、このとき買い手の報酬額にも注意したほうがいいでしょう。

なぜなら、買い手がM&Aに支出できる予算枠は案件ごとに決まっており、アドバイザー報酬を差し引いた額から株式の買収額に回りますので、買い手が支払うアドバイザー報酬額は、株式売買価格の減額要因として実質的に売り手が負担することになるからです。

財務や税務は予習してから質問しよう

財務や税務に弱いM&Aアドバイザーは非常に不安定です。必ず担当者個人の財務リテラシーを確認しましょう。

ただし、財務や税務は結構難解で、質問者自体が理解できていなければいけません。M&Aアドバイザーとの面談前に、品定めできるレベルまで勉強しておきましょう。

M&Aの財務や税務については、筆者は当サイトや提携サイトにて、以下の記事を公開しています。勉強の一部としてぜひ読んでみてください。もしわからないことがあればM&Aアドバイザーに質問し、ちゃんと説明できるかを確認するのもいい手かもしれません。

【図解】M&A株式売却で個人株主が使える3つの税金対策
M&Aでの役員生命保険積立金は会社分割で継続&節税しよう
DCFなんて嘘?M&Aの入札で買主が本当に使う3つの株式値決め法
M&Aの価格交渉で知らなきゃ大損する繰延税金資産の基礎知識
売主必見!ヨコの会社分割を用いた株式売却M&Aの超節税術〔外部〕
効果絶大!タテの会社分割による株式売却M&Aの高度な節税術〔外部〕

もしM&Aアドバイザーの財務リテラシーが判断できないという場合は、弊社に「目利き」をご依頼ください。

選手交代の可能性は必ず質問しよう

なお、大きなM&A仲介会社では特にですが、売り案件を見つけてくる営業担当者と案件を取り仕切るディール担当者が分かれていることがあります。M&Aアドバイザーを選ぶときに重要となるのは、言うまでもなくディール担当者です。

相談に乗ってくれた担当者が信用できそうなので契約したら、全然違うディール担当者にバトンタッチしてしまったということもあります。M&Aが始まったときの選手交代の可能性は必ず質問しておきましょう。

自分の希望を分析し、正直に伝えること

M&Aアドバイザーに相談する前に、自分がどんなM&Aをしたいのか、よく整理しておきましょう。これが、相手が自分にとって最適なM&Aアドバイザーかどうかを判断する要素になります。

自分の希望を分析・整理する有効な方法として、自分に対して質問を投げかけるといいでしょう。投げかけるべき質問内容は、次の章でご紹介します。

解除条項には要注意!

なお、M&Aアドバイザーは独占業務委託契約ですので、契約が解除されるまで別のアドバイザーに乗り換えることはできません。しかし、現実にはM&Aアドバイザーのスキルがあまりに低い場合、契約を解除してでも乗り換えるべきことがあります。

そのため、独占業務委託契約を結ぶ際には、解除条項がどうなっているのか確認しましょう。どのようなケースで乗り換えが可能で、どのようなケースでできないのかについては、しっかりと理解しておく必要があります。

M&Aアドバイザーに会う前にやっておくべき心の整理

M&Aアドバイザーに会う前に、自分がどんなM&Aをしたいのかを整理しておきましょう。そうすることによって、M&Aアドバイザーが自分に合うかどうかを探るモノサシができます。

整理しておくべき自分の希望

たとえば、どんな相手に会社を引き継いでほしいでしょうか。あるいは、どんな評価軸で相手を選びますか。

同業他社に買ってほしいですか?それともまったく別の事業者に引き継いでほしいですか?相手先に求めるお金以外の要素は何ですか?会社や屋号の維持にこだわりはありますか?など、万人共通の答えがない個人の気持ちについて、自分はどんな人間なのかを整理しておきましょう。

これらの買い手企業の選択はもちろん、彼らを紹介するアドバイザー選びにも大きく影響します。希望に近い買い手を探すのが得意なアドバイザーや、オーナーの希望に近い条件を出しやすい進め方をするアドバイザーを選びたいものです。

自分に投げかけるべき本音の質問

弊社がM&Aアドバイザーをご紹介するとき、事前に売り手オーナーさんに質問をさせていただいています。

会社や業界の特殊性に応じて質問項目は変わりますが、多くのケースで共通するのは、たとえば以下のような質問です。ぜひご自分でも、このような質問をたくさん投げかけてみてください。

  • なぜ会社を売却しようと思ったのですか?
  • もしその理由が解決できたら、会社は売却したくなかったですか?
  • 現実的でなくてもよいので、知っている会社でぜひ売りたい会社はありますか?
  • その会社を選んだ理由は何ですか?
  • 現実的な選択肢内で、この会社から良い値段が出たら売りたい会社はありますか?
  • その会社を選んだ理由は何ですか?
  • 業界の最大手と準大手ならどちらに買ってほしいですか?
  • その理由は何ですか?
  • M&A後、自分はすぐに退任してもいいですか?
  • 逆に一定期間残ってほしいと買い手に言われた場合、受諾できますか?
  • さらにどちらかと言えば残りたいですか?残りたくないですか?
  • 会社に入っている自分の親族についてはどうですか?
  • 従業員さん全員の雇用維持は絶対条件ですか?
  • どんな高値を出されても譲れない条件はありますか?
  • 同水準の価格提示をされた場合、優先的に考えたい条件は何ですか?
  • スピーディーに売却したいですか?じっくり相手を見極めたいですか?

自分の回答をよく読んで、自分の思いを整理しよう

上記のような質問を、思いつく限り自分に出題して、自分の本音を答えていきましょう。

このとき、質問とその回答を紙に書きだし、じっくりと眺めましょう。これを読んでいくことで、自分が本当に実現したいM&Aというものが見えてきます。

現実的には相手がいることなので、すべてが思い通りにいくことはありません。しかし、その中で優先順位を決め、少しでも重要な希望に近づける努力はできます。M&Aアドバイザーは、その努力を一緒にしてくれる相手を選びましょう。

おわりに

今回はM&Aのアドバイザー選びについて、多くの売り手オーナーさんが陥る間違いと対策をご紹介しました。

くどいようですが、M&Aにおいてアドバイザー選びは成否を左右する非常に重要な決断です。決して義理やその場の感情、勢いで決めないことを強くお勧めします。

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株式会社STRコンサルティング 代表取締役
税理士・公認会計士 古旗 淳一

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