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M&A(譲渡)

社名やブランド名の変更をさせずに会社を売る5つのM&A戦術

    M&A後の社名変更

    M&Aをすると社名(商号)やブランド名(屋号)は変更になってしまうのか?という点を気にする中小企業経営者さんは意外と多いです。自分や親が立ち上げ、大事に育ててきた名前がどうなるかというのは、実利を超えた意味のある問題でしょう。

    しかし、これに対してM&A仲介会社がよくする答えは「変更になることもあるが、一般的には変更にならないことが多い」とか「親会社の名前が足されることもある」など、どこか曖昧です。

    実は、M&A後に社名やブランド名が変更になる理由さえ知っていれば、変更させないM&Aを目指すことは簡単です。M&Aの成立確率は多少下がるかもしれませんが、名称不変更がM&A成功の条件であれば、ぜひ行うべきです。

    今回は、M&A後に社名・ブランド名を変更させないために必要な5つの戦術をご紹介しましょう。

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    M&A後に社名・ブランド名が変更になる理由

    M&A後に社名・ブランド名の変更を避けたいのであれば、なぜM&A後に名称変更が行われるのかの理由を理解し、それを回避することが重要です。まずは、社名・ブランド名が変更される理由を確認しましょう。

    決定権限は買い手企業にある

    M&A後に社名やブランド名を変更する決定権限は、新しい株主である買い手企業にあります。売り手オーナーがどんなに嫌がっても、買い手企業がやると決めたら実行されます。

    当たり前の話ですが、「M&A後に社名やブランド名が変更されるのか?」という質問の答えとしては、「買い手が変えたければ変わるし、変えたくなければ変わらない」という回答が正解です。

    買い手の社名・ブランド名の判断基準

    では、社名・ブランド名を変えるか、変えないかを判断する際、何が判断基準になるでしょうか?

    それは、「どちらのほうが儲かるか」それだけです。

    M&Aの買い手は、売り手オーナーの想いを引き継ぎたいとか、従業員さんたちに幸せになってほしいという理由でM&Aをするわけではありません。ひとえに儲けたいから買うのです。
    したがって買収後も、儲かると思う施策は実施しますし、儲からないと思う施策は実施しません。

    買い手は長期戦略で儲けを考える

    ただし、このときの「儲け」は、「長期的な儲け」です(ファンドなど短期的な利益を求める買い手を除く)。

    長期的な意味で、現社名、現ブランド名を維持するのが得策だと思えば名称変更しませんし、グループ内で統一して一体性を出したほうがよいと思えば名称変更します。

    つまり、買い手企業が長期的にどのようなグループ成長戦略を描いているかによって、M&A後に社名やブランド名をどう扱うかが決まってきます

    社名・ブランド名の変更を避ける5つのM&A戦術

    買い手が社名やブランド名を変更する理由が理解できれば、社名やブランド名を残したいと思う場合のM&A戦術は自ずと明確になってきます。

    戦術1.買い手のM&A戦略を理解する

    非常に重要なポイントとしては、買い手候補各社がどのようなグループ成長戦略を描いているかを把握し、社名やブランド名を維持するという戦略の相手に売ることです。

    買い手企業の独自ブランドを広げていきたいと考えているなら、少なくともブランド名は統一されるでしょう。むしろ、この場合は合併して事業を統合したほうが合理的な判断です。
    逆に、多様なブランドを併存させ、社内で競争させていきたいと考えているなら、社名やブランドの維持が合理的判断かもしれません。

    買い手候補1社1社の戦略を確認し、売り手にとって望ましい未来と合致する相手に売ることが、M&A後を思い通りに誘導する最大のポイントです。

    戦術2.M&A後の対象会社の経営計画を確認する

    買い手のM&A戦略とは別に、買い手がM&A後にどのように対象会社を運営していくつもりなのか、経営計画を確認しましょう。「M&A戦略は多角化戦略だが、御社は小規模だから合併します」と言われることもありえます。

    大方針であるグループ成長戦略と、その実践であるはずの経営計画がかみ合わない場合、どちらが相手の本音かを見極める必要があります。

    M&A後の事業計画の確認ポイントについては、「M&A相手を選択するために確認したい事業計画の9つの重要ポイント」をご覧ください。

    戦術3.経営計画の実現可能性をチェックする

    経営計画で「社名やブランド名は変更しないですよ」と言っていても、もしM&A後に思った利益が出ず、経営計画が変更されることは良くあります。その際「話が違うじゃないか」と怒ってみたところで、決定権限は買い手企業にあるので何の効果もありません。

    経営計画で耳当たりのいいことを言っていても、実現できなければ何の価値もありません。本当に実現可能なのかどうかはしっかりとチェックしましょう。

    戦術4.入札前から希望を主張する

    「M&A後の社名やブランド名が変更されてしまったら、M&Aは成功したことにならない」というぐらい名称不変更が絶対条件であれば、ノンネームシート配布の段階から「社名・ブランド名維持が絶対条件」と主張し続けましょう。
    「絶対条件というほどではないけど、可能な限り維持してほしい」と思うのであれば、インフォメーションメモランダムに「ブランド維持を前提とする買い手優遇」という書き方をします。

    このように入札前から希望をはっきりと伝えておくことで、買い手は最初からそれを前提とした入札をしてくれます。

    戦術5.M&A契約に社名・ブランド名の不変更義務を明記する

    ある意味確実な方法として、M&Aの最終契約書に買い手の義務として「対象会社の社名や〇〇のブランド名は〇年間変更しない」と明記する方法です。

    もっとも、このような買い手の経営判断を縛る条項を無期限で引き受けてくれる買い手企業はありません。あまり将来のことは約束するわけにいかないので、必ず時限措置になります。

    また、会社分割によってM&A対象会社をカラッポにし、実質的に社名変更してしまうような裏技も考えられますので、絶対的な方法ではないと考えてください。

    名称変更の拒否にはデメリットもある

    なお、M&A後の社名やブランド名の変更を拒否することは、名称変更によって事業を成長させようとする買い手候補を排除することですし、買い手のM&A後の経営の選択肢を制限することです。

    つまり、その分入札が減ったり、入札額が低くなったりする可能性がある点は覚悟すべきです。

    名称不変更をどこまで要求するかの問題は、自分がどこまでその条件を重視するか、他の条件との優先順位を整理することが必要です。言い換えれば「自分にとってのM&A成功の定義」次第ということになります。M&Aの成功を明確に定義できていなければ、買い手を探すこともままならないということになります。

    当サイトではM&Aの成功を定義する方法について、以下の記事でご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

    これがM&Aの第一歩!【M&Aの成功定義】の7つのステップ

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