M&A

【図解】4つのM&Aスキーム(売買手法)のメリットデメリット比較

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M&Aスキームの図解と比較、メリットデメリット

M&Aでは、売り手は高く売りたいと思いますし、買い手は安く低リスクで買いたいと思うものです。さらに、両社に共通する価値観として、「税金は安く」「混乱は少なく」というポイントがあります。これら求めているポイントを以下にクリアしていくかは、M&Aにとって非常に重要なことです。

M&Aでは、スキーム(M&A手法)によって、両者が得をする形で価格が大幅に変化したり、売買成立の阻害要因が解消したりすることも珍しくありません。双方にメリットがあるM&Aスキームを発見することが、本当の意味でのM&A成功の秘訣です。

そこで今回は、中小企業のM&Aでよく使われている4つのM&Aスキームを図を交えてご紹介し、そのメリットとデメリットを解説します。また、これらのM&Aスキームの検討ポイントと、それに応じた各スキームの比較をご説明させていただきます。

弊社が売り手側のコンサルティングの際に実際に使用しているM&Aスキームの決定手順は、「売り手にベストなM&Aスキーム(売却手法)を決める7つの手順」でご紹介していますので、併せてご覧ください。

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M&Aスキーム(売買手法)とは

M&Aスキーム(売買手法)とは、M&Aを実現するための法形式のことです。

M&Aといえば、会社の株式の売買をイメージされる方が多いでしょう。しかし、M&Aとは本質的には事業の売買です。買い手としては事業の所有権(事業に対する支配権と、事業の収益を得る受益権)が得られれば、必ずしも会社ごと買う必要はありません。たとえば、事業そのものを売買対象にする「事業譲渡」という選択もできるわけです。

そのため、会社ごと買うのではなく、対象となる事業のみを買うという選択肢も当然出てきます。さらには、M&A前に会社を2つに分割し、一部のみを買うという選択も可能です。最終的には売り手と買い手が合意すれば、どんな手法も選ぶことができます。

M&Aスキーム(売買手法)を決める際の検討要素

M&Aスキームは、組織再編(合併・株式交換など)や増資まで加えると無限に発案することができますが、中小企業の事業承継的M&Aで主に活用されているのは以下の4つです。

  • 株式の単純な売買
  • ヨコの会社分割(分割型分割)を用いた株式売買
  • 事業譲渡(営業譲渡)
  • タテの会社分割(分社型分割)を用いた株式売買

これ以外のスキーム、たとえば株式交換や第三者割当増資などは、理論的にはありえますが、中小企業M&Aでお目にかかることは皆無です。これらは資本提携の意味合いが強く、現実には大きな買い手が売り手オーナーを株主に迎え入れることはほとんどないからです。

それぞれの手法の内容は後述しますが、M&Aスキームを検討する際は以下の点を意識しながら進めていくことになります。

M&Aで引き継がれるリスク

会社の株式売買の場合、買い手はその会社のすべてを買収します。これからの事業で発生するリスクは当然ですが、これまでの会社の活動の結果もすべて負わなければなりません

たとえば、M&A後に過去の労働問題で会社が訴えられたとします。単純な株式売買の場合、その責任は買い手が引き受けなければなりません。

株式の売買は、このような潜在リスクも付いて回りますが、事業譲渡やタテの会社分割(分社型分割)であればリスクをカットして買収できます。当然、その分M&A価格は上がりやすくなります。

会社で保有している対象事業以外の財産

単一事業のみを行い、事業に関係ない財産は一切持っていないという会社は、中小企業では滅多にありません。事業が複数あっても、たいていは余剰現金があったり、生命保険契約や実質社長が個人利用している車や社宅があるものです。

株式の単純な売買では、これらのM&A対象事業以外の事業や財産まで、一旦買い手が買い取ることになります。そして、後で売り手オーナーが買い戻すという、手続的にも税金的にも非常に無駄な作業が必要になります。

このような財産は、会社分割や事業譲渡の方法を使えば、そもそもM&A対象から外すことができます。

M&Aで発生する税金

M&Aは多額の売却益が発生しますので、当然税金も非常に高額になります。事業承継タイプのM&Aでは案件成立後にオーナーは引退ですので、税金は少ないに越したことはありません。

そのため、各スキームで発生する税金をシミュレーションし、どの手法がもっとも手取り額が多くなるかを検討します。

M&Aで個人株主が使える節税策については、「【図解】株式売却M&Aで個人売主が使える3つの税金対策」にまとめてありますので、併せてご確認ください。

なお、M&Aスキームによっては買い手側でもかなりの節税効果が発生します。その際は売り手の交渉次第でM&A価格が上昇します。

M&A後の財産活用

売り手がM&A後に売却代金をどのように活用するかも、M&Aスキームを決めるうえで重要な要素になります。

単純な株式譲渡であれば、売却代金は対象会社の株主である個人が受け取ります。
これに対して、タテの会社分割(分社型分割)や事業譲渡であれば、売却代金は一旦会社に入ります。

たとえば売却代金を投資に回す場合、節税のために不動産保有会社を作ろうと思うのであれば、タテの会社分割などの手法のほうが無駄がないでしょう。

M&A完了までのスピードと手続き

会社分割は、債権者保護手続という1カ月間の「待ち」の時間が必要になることがあります。

また、事業譲渡は転籍する従業員全員の同意を得る必要があるため、大規模な事業の場合は手続きが大変です。許認可も取り直しになることが多いでしょう。

このような実務的な煩雑さも、M&Aスキームを決定する際の判断要素になります。

4つの主なM&Aスキーム(売買手法)の図解とメリットデメリット

それでは、中小企業M&Aで主流である4つのM&Aスキームを図を交えながら解説し、それぞれのメリットデメリットを比較してみましょう(図はクリックすると拡大できます)。

M&Aの主要手法① 単純な株式売買スキーム

対象会社の株式を単純に売買する手法です。

単純な株式売買スキームの図解

売り手と買い手の間で株式の売買を行います。なお、M&A対象にしたくない対象外資産(Ex.保険契約、社用車、社宅など)を、M&A成立後に売り手個人が買い戻します。

株式譲渡スキームの図

従来はもっとも簡単なスキームだったため、中小企業M&Aでは主流でしたが、近年後述のヨコの会社分割スキームが非常に使いやすくなったため、デメリットが目立つ手法になってしまいました。

単純な株式売買スキームのメリット

単純な株式売買は、シンプルが故にスピーディーな売却が可能です。

M&Aのクロージングまでがスピーディー

独占禁止法の審査がない限り(中小企業ではまずない)、特に法的な規制は受けないため、最終契約日当日にM&Aをクロージングすることも可能です。

現預金の全額精算が可能

会社が持っている現預金は、株価に織り込まれて売り手個人の収入になります。
これは税金面では非効率なことですが、会社からお金を引き出す必要がないため、個人でキャッシュが必要な場合には便利です。

許認可再取得が不要

許認可は会社に対してされていますので、事業譲渡などで会社が変わると再取得になることがあります(会社分割の場合は許認可の種類によって異なる)。
この点、単純な株式譲渡であれば、許認可の再取得は不要です。

単純な株式売買スキームのデメリット

単純な株式売買は、主に税金面やリスク面などでデメリットがあります。

税金面で非効率

株式の価格には、M&A対象外資産の分も上乗せされ、課税されます。また買戻しの際、M&A対象外資産に含み益があると、これが実現して課税されます。

節税手段がほとんどない

上記のとおり税金面で非効率な上、節税する手段はほとんどありません。せいぜい役員退職金の活用ぐらいで、節税効果としては数百万が限度です。

役員退職金を使ったM&Aの節税手法については、「【図解】M&Aで役員退職金を使った節税方法を徹底解説!」で詳細に解説しています。

大きな投資損失が出ることも

貯蓄型の生命保険契約の場合、解約返礼率のピークで解約しないと損することになりますが、単純な株式売買スキームでは問答無用で解約や買取となります。船舶リースなどの税金対策用オペレーティングリースも同様で、大きな損が生じることがあります。

これらの損失については、「M&Aでの役員生命保険積立金は会社分割で継続&節税しよう」および「M&Aでのオペレーティングリースは会社分割で損失回避しよう」にて詳細に解説しています。

リスクカットがほぼできない

買い手のデメリットとして、会社が過去に行った活動の責任を取らなければならないという問題があります。たとえば、M&A後にM&A前の労働問題が発覚した場合、買い手が責任を負わなければなりません。ある程度はデューデリジェンスで発見できますが、完全にリスクカットすることはできません。

なお、買い手にこれらのデメリットがあるということは、売り手にとってはその分売却価格が下がるということになります。買い手のデメリットは売り手のデメリットでもあるのです

M&Aの主要手法② ヨコの会社分割(分割型分割)スキーム

分割型分割という組織再編手法を用いたM&Aスキームです。位置づけとしては単純な株式売買に一工夫加えた応用編です。

近年税制面でルール整備されたことで、メリットが非常に大きくなり、一気に広がっています。

ヨコの会社分割(分割型分割)スキームの図解

このスキームは、単純な株式売買の前に、M&A対象外となる資産を会社分割で兄弟会社化し、会社を純粋な事業のみにした上で株式を売買します。

分割型分割のM&Aスキームの図

なお、会社分割の税制は特殊であり、対象事業のほうを新会社にしてしまうと、売却代金の大半が税金で消失します。このように会社分割は、万が一手続きを間違えたときに大損害を受けるスキームでもあります(詳しくは「非適格分割型分割のM&Aがどれだけヤバいか実際に税金計算してみた」をご覧ください)。必ず専門の税理士に確認しながら進めてください。

ヨコの会社分割(分割型分割)スキームのメリット

ヨコの会社分割スキームは、単純な株式売買から財産面のデメリットを排除・緩和したスキームになります。

無用な税金を発生させない

M&A対象外資産については無意味な売買が発生しませんので、株価が無意味に高くなることもありませんし、買戻し時の税金も発生しません。

ヨコの会社分割(分割型分割)でどの程度税金が減少するかについて、ざっくりとした概算であれば、比較的簡単に行えます。その手順については「超簡単!M&A前のヨコの会社分割(分割型分割)での節税効果計算法」をご覧ください。

保険などを無理に解約する必要がない

貯蓄型の生命保険契約やオペレーティングリースなど、タイミングを見て解約すべき投資は引き続き売り手の手元に残りますので、急いで解約する必要がなくなります。

詳しくは「M&Aでの役員生命保険積立金は会社分割で継続&節税しよう」「M&Aでのオペレーティングリースは会社分割で損失回避しよう」をごらんください。

余計なものがなく、買いやすい

買い手としては、余計な資産がなくなった状態で買えますので、買いやすくなります。その分入札が集まれば、売り手にとってのメリットでもあります。

本業の許認可再取得が不要

M&A対象事業は元の会社に残りますので、許認可の再取得は必要ありません。

ヨコの会社分割(分割型分割)スキームのデメリット

ヨコの会社分割スキームはデメリットが少ない手法ですが、時間がかかることが最大のデメリットです。

分割手続に時間がかかる

会社分割の手続きに時間がかかります。最低1カ月の「待ち時間」が必要になります。
もっとも、M&Aは単純株式譲渡でも数カ月間は引継作業などが続きますので、あまり大きなデメリットではないかもしれません。

売り手の手元に会社が残る

売り手の手元に新会社が残り、そこに余剰現金や保険契約などが残存します。これをどう活用するかを考える必要があります。ポピュラーな活用方法は投資であり、親族を役員にして、低税率で財産を分配していく方法です。また、事業の一部を手元に残す方も多いです。

完全なリスクカットはできない

買い手のデメリットとして、古い会社を買い取ることになりますので、完全なリスクカットはできません。ただ、単純な株式売買に比べれば断然リスクカットする方法はあります。

M&Aの主要手法③ 事業譲渡(営業譲渡)スキーム

会社の資産を他社に売却するのと同じように、事業を他社に売却することができます。なお、現在の正式名称は「事業譲渡」であり、「営業譲渡」は古い呼び名です。

事業譲渡スキームの図解

4つのM&Aスキームの中ではもっとも単純で、資産売買と同様に事業を売買するだけです。

事業譲渡の図解

事業譲渡スキームのメリット

事業譲渡のメリットは、完全に事業のみをM&Aでき、過去のリスクを完全にカットできることです。

完全に事業のみをM&Aできる

事業譲渡では、移転する資産負債を契約書で明確にします。それ以外の資産負債は一切買い手に移転しないため、買い手にとっては安心感のあるスキームです。

保険などを無理に解約する必要がない

M&A対象外の資産は会社に残りますので、無理に解約する必要はありません。

(小規模事業の場合)スピーディーなM&Aが可能

会社分割のような法的な手続きはないため、スピーディーなM&Aが可能です。

ただしこれは事業規模が小さい場合に限ります。従業員や取引先が多い事業の場合、却って会社分割より時間がかかります。また、許認可が必要な事業では再取得手続が必要です。

売り手に大きな節税効果が出ることがある

後述するタテの会社分割とほぼ同様の税金計算になるため、売り手に大きな節税効果が発現することがあります。

買い手に大きな節税効果が出る

一方、買い手には確実に「のれん償却の損金算入」という超強力な節税効果が発生します。この節税効果をどれだけ事業の価格に反映させるかが、価格交渉の焦点になります。

事業譲渡スキームのデメリット

事業譲渡スキームは税金面でメリットが大きいですが、ある程度の事業規模になると大変煩雑で、基本的にはタテの会社分割(分社型分割)のほうが優れています。

(中規模以上の事業の場合)手続きが煩雑

事業譲渡は、数店舗など小さい事業の売買には適していますが、中規模以上のビジネスでは非常に煩雑です。ある程度規模がある場合はタテの会社分割を使いましょう。

売り手の税金が高くなることも

タテの会社分割は税金の計算ロジックが変わりますので、税金が大幅に安くなることもあれば高くなることもあります。個々の案件ごとに変わりますので、必ず事前にシミュレーション計算をしましょう。

M&A直後の混乱リスクが高い

従業員さんは、ある日を境に突然会社自体が変わり、譲受企業の社内ルールに合わせなければいけません。関係者にとって大きなストレスですし、混乱するリスクが他のスキームより高いです。

許認可は取り直し

事業の許認可は取り直しになります。違法営業期間が発生しないよう、譲受企業側で事前に取っておく必要があります。

売買代金が会社に入る

このスキームでは、会社に売買代金が入ります。資産管理会社としてうまく活用していきましょう。

M&Aの主要手法④ タテの会社分割(分社型分割)スキーム

タテの会社分割(分社型分割)を活用したスキームは、事業譲渡とほぼ同じ効果を得るとともに、事業譲渡のデメリットをほとんど受けずに行えます。したがって、M&Aスキームとしてはこちらのほうが有力です。

タテの会社分割(分社型分割)スキームの図解

このスキームでは、一旦事業を会社分割で子会社化し、その子会社の株式を売買するという手法です。

分社型分割のM&Aスキームの図解

タテの会社分割(分社型分割)スキームのメリット

タテの会社分割(分社型分割)スキームは、おおむね事業譲渡と同じメリットがありますが、手続面に大きな違いがあります。

完全に事業のみをM&Aできる

事業譲渡と同様に、事業のみを子会社化するため、純粋な売買が可能です。過去のリスクも契約によってカットできます。

保険などを無理に解約する必要がない

M&A対象外の資産は会社に残りますので、無理に解約する必要はありません。

売り手に大きな節税効果が出ることがある

財産の状況次第で、ヨコの会社分割スキームとは別格の節税ができることがあります。詳しくは提携サイトの「効果絶大!タテの会社分割による株式売却M&Aの高度な節税術」をご覧ください。

買い手に大きな節税効果が出る

事業譲渡と同様に、「のれんの節税効果」という超強力な節税効果が発生します。この節税効果をどれだけ事業の価格に反映させるかが、価格交渉の焦点になります。

具体的には、この「のれんの節税効果」をうまく使うとそれだけでM&A価格が1.3~1.5倍程度に跳ね上がることがあります。その仕組みは「M&A価格を跳ね上げる最強の【のれんの節税効果】徹底解説」をご覧ください。

大きな事業もひとくくりで移転可能

事業譲渡の場合、すべての従業員や取引先に対して移転手続きを行う必要があり、小規模事業以外は不向きでした。会社分割であれば、すべての契約関係を一括して移転することができます。

時間をかけてM&Aができる

事業譲渡の場合、ある日を境に買い手の社内ルールが押し付けられ、大きな混乱を招くリスクがあります。これに対してタテの会社分割の場合、一旦子会社化され、独立した会社として買収されますので、一気に社内ルールを押し付けるようなことはする必要がありません。

許認可再取得が省略できることも

事業譲渡の場合、すべての許認可は再取得が必要ですが、会社分割であれば省略できる場合があります。管轄省庁に確認しておきましょう。

タテの会社分割(分社型分割)スキームのデメリット

タテの会社分割は事業譲渡の多くのデメリットを克服する方法ですが、すべてではありません。

会社に売却代金が入る

会社に売却代金の全額が入ります。億単位になることも多く、役員退職金で個人に還元すると、税率が高くなってしまいます。(過大退職金のリスクもあります)

税を支払った後のお金をどのように運用するかを決めておかないと、使えないキャッシュを寝かせてしまうリスクがあります。

売り手の税金が高くなることも

タテの会社分割は税金の計算ロジックが変わりますので、税金が大幅に安くなることもあれば高くなることもあります。個々の案件ごとに変わりますので、必ず事前にシミュレーション計算をしましょう。

時間がかかる

上述のとおり、会社分割では一括して事業を新会社に移すことができるのですが、従業員を新会社に転籍させ、独立した会社として運営を再構築しますので、業務としては結構大変です。余裕をもったスケジュール作りが必要です。

許認可再取得が必要なことも

許認可の再取得が必要になることもあります。スケジュールに大きな影響を与えますので、事前に管轄省庁に確認しておきましょう。

4つのM&Aスキーム(売買手法)のまとめとポイントの比較

4つの主要なM&Aスキームの解説は上述のとおりですが、詳細すぎて全体の把握が難しいと思います。そこで、ポイントを比較表でまとめましたので、M&Aスキームを検討する際にご活用ください。

各スキームのメリットデメリットまとめ

4つのM&Aスキームのメリットデメリットをまとめると、下表のとおりです。

スキーム メリット デメリット
単純な株式売買 M&A完了までのスピード
現預金の全額精算が可能
許認可再取得が不要
税金面で非効率
節税手段がほとんどない
大きな投資損失が出ることも
リスクカットがほぼできない
ヨコの会社分割 無用な税金を発生させない
保険等無理に解約する必要なし
余計なものがなく買いやすい
本業の許認可再取得が不要
分割手続に時間がかかる
売り手の手元に会社が残る
完全なリスクカットはできない
事業譲渡 完全に事業のみをM&Aできる
保険等無理に解約する必要なし
小規模の場合スピーディー
売り手に節税効果が出ることあり
買い手の節税効果が大きい
中規模以上では手続が煩雑
売り手の税金が高くなることあり
M&A直後の混乱リスクが大きい
許認可は取り直し
売買代金が会社に入る
タテの会社分割 完全に事業のみをM&Aできる
保険等無理に解約する必要なし
売り手に節税効果が出ることあり
買い手の節税効果が大きい
大きな事業も一括して移転可能
時間をかけてM&Aできる
許認可再取得が不要のことも
会社に売却代金が入る
売り手の税金が高くなることあり
時間がかかる
許認可再取得が必要なことも

項目別スキーム比較

項目別に評価をまとめると以下のとおりです。

項目 単純株式譲渡 ヨコの会社分割 事業譲渡 タテの会社分割
スピード感
リスクカット ×
売り手の節税 × ケース次第 ケース次第
買い手の節税 ×
対象外財産処理 ×
許認可 ×
入金先 個人 個人 会社 会社

ヨコの会社分割orタテの会社分割がおすすめ!

最後に、我々のおすすめスキームは、ヨコの会社分割とタテの会社分割です。

単純な株式譲渡のメリットは、スピード以外はヨコの会社分割スキームで補えますし、デメリットを打ち消してくれます。

一方、事業譲渡かタテの会社分割であれば、多くのケースでタテの会社分割のほうが有利です。

タテの会社分割は、大幅に税金が下がることもあれば、上がることもあります。そこで、各スキームの節税効果や手取り財産のシミュレーション計算を行った上で判断しましょう。

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