M&A価格と税金に関する質問
-
顧問税理士にヨコの会社分割は前例がないのでやめたほうがいいと言われたが、その点についてどう考えているか?
顧問税理士にヨコの会社分割を相談すると、いろいろ調べた結果「法改正されたばかりで前例のない節税スキームなので、リスクが高い」と言われることがあります。私が別サイトで過去に書いた記事をその根拠に提示されたこともあります。会社分割は税務否認時のダメージが大きいので、いたずらにご不安にさせてしまうのは申し訳なく思っております。
-
「磨き上げ」の範囲内で実施する以上、ほぼ問題ないと考えています
ヨコの会社分割スキームは、形式的には税務ルールで定められた「適格分割」の要件を満たしています。形式的に要件を満たす取引を税務署が否認するためには、「税逃れを主目的とした不自然・不合理な会社分割である」という認定をしなければいけません。
会社分割などの「組織再編」において課税庁が税務否認を行う際のルールについては、関連サイトの「組織再編で『節税』が包括否認される4つの要件基準と対策」という記事で詳細に解説しております。
しかし、ヨコの会社分割スキームは「会社全体をそのまま売るのではなく、買い手が不要とする資産を排除し、買いやすい状態にしてから売る」というお話です。買い手が不要とする資産分を売買対象から外し、その部分だけは(売買してないので)税金を発生させないというだけのことですので、税法の趣旨に反するものではなく、何ら問題はないと考えています。
ただし、上記の趣旨に反する取引、特に「会社の土地を単純に売ると30%以上の法人課税だから、それ以外の資産負債をすべて新会社に移してから売って20%課税にする」という実態が色濃く読み取れる場合は、税務否認を受ける可能性が極めて高い(それ以外にも税効果会計に絡めた寄附贈与認定リスクも高い)点にご注意ください。
税務リスクに関する弊社(及び税理士・古旗淳一)の見解は、「【図解】2017年税制改正で激増した会社分割M&Aと税務リスク」にて詳しく解説しています。