M&A価格と税金に関する質問
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ヨコの会社分割を行った場合、「役員退職金の上限」はどのように計算すべきか?
ヨコの会社分割(分割型分割)関連で非常に多い質問が、「役員退職金の上限値計算で勤続年数は引き継がれるのですか?」というものです。経営者であれば、この辺はかなり気になるポイントでしょう。
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妥当な水準と主張できるかどうかで考えてください
役員退職金については、「最終報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率 + 特別加算」という計算式が妥当とされていますが、これに則っても税務署が過大と判断すれば普通に否認されますので、まったくアテにならないものとお考え下さい。
つまり、税務調査で妥当な水準だと主張できるかどうかがすべてです。
その上での私(税理士・古旗淳一)個人の意見を申し上げますと、適格分割型分割は事業の連続性を保ったまま2つに分裂するという性格の強い組織再編であるため、形式的には新会社であっても、実態としては分割前からの連続性を意識すべきと考えます。退職金は役員報酬の後払いの性格があり、分割前からの連続性が考慮されるのは当然と考えますので、在任年数には分割前の期間を含めるべきだと考えています。
一方で、分割会社(新会社でないほうの会社)は、それまで積み上がってきた「後払い予定の役員報酬」の一部が新会社に移転されるべきであり、会社を2つに分裂させることで1人の役員が受け取る額が2倍にならないように減額されるべきだと考えます。
つまり、会社分割までに積み上げてきた「後払いの役員報酬」を、何らかの合理的な基準で2つに分割し、分割後はそれぞれの会社でまた積んでいくという考え方になるでしょう。この理念が合理的に反映された退職金であれば、妥当な水準として認められるべきだと考えています。