M&A業者に関する質問
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M&A業者と契約する際の注意点は?
M&A業者との契約は初めての方が多いので、契約書を見てもどこに気を付けるべきかわからないかもしれません。報酬体系が当初の説明通りかは当然確認すべきですが、他に何を確認すればいいでしょうか?
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「テール条項」「契約解除要件」「免責事項」などが論点になりやすいです
仲介契約書(FA契約)でよく「揉める」論点はいくつかあります。特に「テール条項」「契約解除要件」「免責事項」がよく問題になります。
テール条項
「M&Aが成立せず、仲介契約が解除になったのち、紹介済みの買い手候補に対して2~3年以内に売却が成立した場合は、解約した仲介業者に仲介手数料を払う」という内容の条項です。
この条項は、仲介手数料を払わないための「偽装破談」を回避するための条項ですが、非常にあいまいに運用されるため、中小M&Aガイドラインでも大きな問題になっています。
特に、「紹介済みの相手先の定義」がよく問題になります。悪質な業者は「たとえ実際に打診をしていなくても、打ち合わせで名前が挙がった買い手候補はすべて紹介済みだ」と主張してくることもあります。さすがにこれは暴論だと思いますが、揉めるのも嫌なのでM&Aの再チャレンジをストップしてしまう売り手も多いようです。
このような問題を防ぐために、「テール対象の定義」はしっかり明記しておきましょう。詳しくは以下の動画で解説しているので、ぜひご覧ください。
契約解除要件
契約後、実際に仕事を任せていく中で、「この人期待していたよりだいぶダメなんじゃないの?」と思うことがあるかもしれません。M&Aプロセスは進めば進むほど後戻りが大変になっていきますので、そのような場合は速やかに契約解除するかどうかを検討すべきです。
このような場合に備えて、契約解除の条件は確認しておきましょう。売り手の一方的な通知で一切の制約なく契約解除できるのか、違約金が発生するのかなど、事前に確認しておかないと思わぬ制約に足を引っ張られる可能性があります。
なお、中小M&Aガイドラインでは「依頼者が任意の時点で仲介契約・FA 契約を中途解約できることを明記する条項等も設けることが望ましい」としています。
免責事項
少なくないM&A業者の契約書のひな型には、「業者の落ち度により売り手が損害を被っても、故意または重過失でない限り、業者側は一切の賠償に応じない。故意まだは重過失の場合は、実際に受け取った報酬の範囲内でのみ損害賠償する」といった内容が記載されています。
これはつまり、「仮に意図的に売り手が損害を被るように仕向けたとしても、業者は売り手側に報酬を返すだけで足り、また買い手側からもらった報酬は返さなくてよい」ということになります。極めて業者側にとって有利、売り手側にとって異常に不利な条項です。
業者の契約書のひな型というものは業者有利であることが常ですが、ここまで無責任な契約内容こそ、無責任な業者の態度の元凶の1つではないかと思うところです。