M&A仲介のダイレクトメールは嘘だらけと言い切れるカンタンな理由

  「弊社のクライアントのある大手企業が、あなたの会社を譲り受けたがっています」 名前も知らない、或いは知っていても会ったことがほとんどないM&A仲介会社から、このようなダイレクトメールを受け取ったことはありませんか? 多くの中小企業経営者が、「ある」とお答えになると思います。業種によっては月に何十通も受け取っているという方もいらっしゃるでしょう。 大きな会社から会社を売ってほしいと相談されるなんて、経営者としてとても名誉なことでしょう。そのため、これを期に真剣にM&Aを検討される方もいらっしゃいます。 でも、1点覚えておいてください。その手紙の記述は、ほぼ間違いなく嘘か大袈裟です。 世界中のどこかには、本当にあなたの会社を欲しがっている買い手がいるかもしれません。でもその買い手さんは、まずそんなダイレクトメールは送ってきません。これは少し考えれば誰でも簡単に理解できる話なので、まずはその理由をご紹介しましょう。 さらに、仮に何らかの買い手が本当にいたとしても、そのM&A仲介会社を使うことにはリスクがあることもご紹介しましょう。一応のメリットもあるものの、リスクには気を付けてM&Aを進める必要があります。 そのためこの記事の内容としては、以下のとおりです。 M&A仲介のDMがほとんど嘘と言い切れるカンタンな理由 仮に嘘じゃなくても買い手発信のM&Aに応えるのは要注意な理由 最後までご覧いただければ、M&A仲介のアコギな営業手法と一定の距離を取りつつ、冷静にご自身の会社の未来をお考えいただけるようになるでしょう。 YouTube動画でも公開中! この記事はYouTubeで公開している以下の動画を文章化したものです。視聴環境が合いましたら、ぜひ動画も併せてご覧ください(10分36秒)。 M&A仲介のダイレクトメールは嘘だらけ!買い手発信のM&Aには要注意【M&A相談FAQ】 M&A仲介のダイレクトメールがほとんど嘘と言い切れる理由 では、最初に「あなたの会社を欲しがっている買い手がいます!」というダイレクトメールが、ほとんど間違いなく嘘か大袈裟なものであると言い切れる理由をご紹介しましょう。 実はこれは、買い手の立場になって考えれば、とても当たり前な話です。 買い手は必ず、もっと信用力のあるルートでM&Aを申し入れる 私は買い手側でM&Aの担当者を経験していますので断言しますが、本当に買収したい会社が見つかったら、M&A仲介を経由してコンタクトを取ることは絶対にしません。必ず、銀行などもっと信用力のある機関を間に挟みます。 多くの場合、その会社の取引銀行に当たります。本気で買収を検討したい会社があったら、帝国データバンクなどの信用調査情報には必ず目を通していますので、取引銀行はすぐにわかります。 間違っても、M&A仲介会社は使いません。 なぜなら、本気で買収したい会社へのコンタクトは、絶対に失敗できないからです。本気で買いたいと思える会社なんて世の中にそうそうないですから、コンタクトは慎重に慎重を重ねて、必ず話を聞いてもらえるルートから行います。 その点、その会社の経営者さんが知らない、あるいは知っていても名前だけという業者に … 続きを読む M&A仲介のダイレクトメールは嘘だらけと言い切れるカンタンな理由