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M&A(譲渡)

事業承継にM&Aを選ぶ最高のメリットと最悪のデメリット

M&Aのメリットデメリット

事業承継で悩んでいる中小企業が多い昨今、M&Aは大変に注目されています。最近は政府も後継者問題の特効薬として後押しを始めました。

確かに、M&Aはうまく使えば素晴らしい事業承継対策になり、売り手、買い手、対象会社、そして日本経済全体にとってプラスになる選択肢だと思います。後継者問題にお悩みの中小企業経営者さんにはぜひ検討していただきたいと本心から思っています。

しかし、残念ながら良いことばかりではありません。M&Aには大きなデメリットがありますので、その点を見落とさないようにしましょう。

結論から申しますと、M&Aと他の事業承継策を比べたとき、最高のメリットはこれまでの努力に見合ったキャッシュを手に入れられることです。安定雇用など、他の事業承継策でも実現できるメリットはより高い確度で実現しつつ、引退後の資金としては贅沢なぐらいの資金が手に入ることは少なくありません。

一方、最悪のデメリットとして、M&A業界には“質の悪い”業者が山ほどいることに注意しましょう。後述の理由によりアドバイザーは玉石混交で、ペテン師のような人間もいれば、M&Aを取り仕切るスキルに著しく欠ける者もいます。

結論だけ聞いてもピンと来ないかもしれませんので、今回はM&Aの最高のメリットと最悪のデメリットについて解説します。M&Aを検討中の方はもちろん、周りで後継者問題にお悩みの経営者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ教えてあげてください。

M&Aの最高のメリット

事業承継の手段は主に3つあります。

  • 親族内承継
  • 従業員等への承継
  • M&A

それぞれ長短がありますが、M&Aが他の事業承継手段と明確に異なる点として、「会社の価値に見合う対価を受け取れる」ということが挙げられます。

親族内承継の資金収支

親族内承継では、対価どころか税金を払うことになります。事業承継税制が拡大されたもののイマイチ使いづらく、払える額の相続税であれば払ってしまったほうがよかったりします。

世の中には、どう考えてもそんな価値のない小口不動産を高値で購入して「相続税対策」ができたつもりになっている人もいますが、それは投資で損をしたから税金が安くなっているだけです。

もちろん、多少は相続税対策もできるものですが、親族内承継では得をすることはまずありません。子どもに事業を託すことはお金以上に価値のあることかもしれませんし、それができればそうしたほうがいいのかもしれませんが、お金がデメリットであることは認識しておきましょう。

親族外承継の資金収支

番頭格の従業員など、親族外へ承継する場合は、後継者に株を買い取ってもらうことになります。もちろん無償であげることも可能ですが、そんなことをするオーナーさんはほとんどいません。

そのため、多少の入金は得られますが、それでも後継者が用意できる金額までしかキャッシュインがありません。通常は数百万円が限度になります。

株はファンドに売り、経営は後継者に引き継がせる方法(MBO)を使えば億単位になることもありますが、ファンドも商売なのでなるべく安く仕入れようとします。M&Aに比べて高値にすることは難しいでしょう。

M&Aの資金収支

M&Aできる会社は、ある程度の「良い会社」に限られますが、売れれば億は軽く超える金額の入金になります。(なお、相続税の心配をする会社であれば、ほぼ確実に売れるでしょう)

個人が株式を売却した場合、売却益に対して一律20.315%の課税と、個人としては低めの税率となっています。M&Aスキームを工夫することで、さらなる節税を図ることも可能です。

M&Aで個人株主が使える節税策については「【図解】株式売却M&Aで税額が半分にもなる個人売主の3つの節税策」をご覧ください。

仮に相続税が発生しても、トータルの財産はダントツで大きくなるのがM&Aのメリットです

人生を賭けて育ててきた会社を手放すのはさみしいと思いますが、自分の成果を第三者に認めてもらい、キャッシュで報いてもらうというのが、M&Aの最大の魅力でしょう。

M&Aの最悪のデメリット

そんなM&Aですが、やはり良いことばかりではありません。

大切な会社とお別れになってしまうというデメリットも大きいですが、それ以上に最悪のデメリットが「M&A仲介アドバイザーに質の悪い輩が多い」ということです。

M&A仲介アドバイザーは玉石混交!

一応先に言っておきますが、M&A仲介アドバイザーにも優秀で誠実な方は大勢います。ただ、そうでない輩がやたら多いのが中小企業のM&A業界です。

M&Aは、もともと「Greed is Good(強欲は善なり)」という言葉があるほどいかがわしい世界でしたが、そこで活躍するプレーヤーはみんな優秀でした(強欲の人は多かったですが、それはハングリー精神とも言い換えられます)。ところが、ここ数年のうちに、随分と全体レベルが下がってしまい、欲が強いだけで品質の悪いアドバイザーが爆発的に増えたと考えています。

質の悪いM&Aアドバイザーが多いワケ

M&Aアドバイザーの品質低下の一番の理由が、業界が急激に拡大したことにあると思います。

事業承継ブームもあり、ここ数年で中小企業M&Aが「かなり儲かる商売」であると有名になってしまいました。その結果、まさに雨後の筍のように新規参入が増えていますし、大手仲介会社でも盛んに採用をしているようです。

業界が活況になることはいいのですが、残念ながらM&Aのことをロクに理解していない「素人アドバイザー」が増えてしまいました。大手企業でも、たいして社内研修をしていないんだろうなと感じさせる人が少なくありません。

さらに中小企業M&A業界は、サービス品質を高めるよりも、裏で紹介手数料を銀行や税理士に配ったほうが経営効率がよいという構造でもあります。このような状況ですので、なかなかアドバイザーのレベルが上がっていかない現状があります。

M&Aの裏側でやりとりされる「紹介手数料」については、「オススメなんてカネ次第?M&Aのウラで動く紹介手数料の話」をご覧ください。

M&Aアドバイザーの質が悪いことの弊害

具体的にM&Aアドバイザーの質が悪いと、どのような弊害が起きるのでしょうか。

たとえば、オークション型のM&Aでは、入札前に買い手候補に対して「インフォメーションメモランダム(IM)」という冊子を配って情報提供します。

インフォメーションメモランダムは、その内容が入札額に直結する、非常に重要な書類です。この出来がM&Aの成否を左右すると言っても過言ではないのですが、残念ながら低レベルなインフォメーションメモランダムは世の中で山ほど見かけます。

低レベルなインフォメーションメモランダムが買い手候補に配られると、誠実な買い手候補は情報不足になるため、思い切った入札ができません。逆に不誠実な買い手は、インフォメーションメモランダムの隙を突く形で高値の入札を出し、後から「入札時は情報不足だったから価格引き下げだ」と要求をしてきます。

低品質なM&Aアドバイザーに捕まってしまうと、大事な会社を不誠実な相手に格安で売る羽目になりかねません。

インフォメーションメモランダムの役割については「M&A売価に3倍差が付くインフォメーションメモランダムの記載内容」をご覧ください。

また、インフォメーションメモランダムを作成中にアドバイザーの能力に疑問を感じたときは、契約解除を検討することをお奨めします。詳しくは「マトモなIMが作れないM&A仲介会社は即契約解除すべき5つの理由」をご覧ください。

M&Aの仲介アドバイザーは慎重に選ぼう

上記のとおり、M&Aアドバイザーは玉石混交です。優秀なアドバイザーは間違いなく存在しますので、決して妥協せず慎重に選びましょう。

間違っても、お世話になっている人から紹介されたというだけで契約を結ばないこと。断れない関係性の紹介者には最初は相談しないほうがいいでしょう。

その他、M&Aアドバイザーの選び方のコツについては、「時代遅れの業者に騙されない初めてのM&A仲介アドバイザーの選び方」に記載していますので、ぜひご参考にしてください。

M&Aのその他のメリットとデメリット

事業承継策としてのM&Aの最大のメリットとデメリットは以上のとおりですが、他にもメリットやデメリットがありますので、事業承継策を選ぶときは総合的に判断しましょう。

以下の記事より確認できますので、ぜひ参考にしてください。

鵜呑みは厳禁!M&A業者が言う「売り手のメリット」7選とその真相
M&A仲介会社は言わない売り手の9つのデメリット

事業承継M&Aが失敗に終わるシンプルな理由とは?

事業承継を目的とした中小企業のM&Aは、多くが「失敗」と言わざるを得ない結果に終わります。


現実に、仲介会社のペースでM&Aを成立させてしまい、取り返しのつかない後悔を人知れず抱いている元経営者は少なくありません。


実は、事業承継M&Aが失敗しやすいということは、少し考えればすぐにわかるシンプルな理由からです。


あなたがM&Aを成功させたい、後悔したくないと強く考えているなら、事業承継M&Aの構造をきちんと理解しておきましょう。


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