M&A(譲渡)

会社を高値で譲渡するには適切な情報開示が最重要であるワケ

M&Aの目的はお金だけではありませんが、M&A後に引退となる中小企業の売り手オーナーにとって、お金は非常に重要な要素です。M&A価格次第でM&A後の自分と家族の人生が変わりますので、最大の価格を引き出せるよう工夫しましょう。

では、どのような工夫が必要なのでしょうか。大きく分けると2つのアプローチが必要です。

  • 会社(事業)の価値そのものを引き上げる
  • 会社(事業)の価値を買い手に正しく理解させる

「会社の価値を引き上げる方法」として、「磨き上げ」や「のれんの節税効果」が代表的です。一方、「会社の価値を入札者に買い手理解させる方法」として、適切な「インフォメーションメモランダム(IM)」が最重要になります。

この両者を比較すると、後者のほうが圧倒的に重要です。なぜなら、どんなに会社の財産的価値を引き上げても、その価値が伝わらなければ何の意味もないからです。

今回はその重要性について、より詳しく解説し、どのように価値を伝えていけばよいかを確認していきましょう。

M&A価格を引き上げるには適切な情報開示が不可欠である理由

では、なぜ売り手が積極的に情報を開示していくべきなのでしょうか。適切な情報開示がM&A価格を引き上げる理由を、もっと詳しく理解しておきましょう。

理由1.買い手は安く買いたい

買い手がM&Aに成功する方法は1つしかありません。「良い会社を(実利に比べて)安く買う」。これだけです。

したがって、買い手は少しでも安く買おうとします。そこには「適正な株式価値」なんていう空虚な概念は存在せず、安ければ安いほど良いということになります。

そのため、何も情報がない中で高い値段を出すことは、まずありません。

理由2.情報が入札額を決める

少しでも安く買おうとする買い手から、高いM&A価格を引き出すためには、他社と競合させて高い価格を提示させ合うことが一番です。オークションではどうしても他社の入札額が気になりますので、談合でもしない限り自然と価格が上昇していきます。

しかし、買い手候補としては無制限に入札価格を引き上げるわけにはいきません。M&Aは買うことが目的なのではなく、買った後にM&A対象会社に利益を上げてもらうことが目的です。対象会社が将来上げる利益に見合わない価格で買収すると、お金を売り手にタダで上げているようなものです。

そこで、買い手候補はM&A対象会社の情報を必死で集め、M&A後にどれだけ利益を上げてくれる会社なのかを理解しようとします。その理解を前提に、最大限出しても損しない価格はいくらかを判断していくのです。

つまり、十分な情報開示がなければ、買い手候補は本来よりも低い価格でしか入札ができないのです。

理由3.競争入札の後に調査・交渉が待っている

理由2を読んで、「だったら入札前は売り手に好都合な情報だけを開示して、値下げ要因になるような都合の悪い情報は隠したほうがいいのかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現実はそう甘くはありません。

M&Aオークションの大きな特徴として、競争入札で買い手候補を1社に絞り込んだ後に、M&A対象会社をじっくりと調査(デューデリジェンス)し、その結果を踏まえて価格交渉を行うというプロセスになっています(下図)。

M&Aの交渉の流れ

中小企業M&Aの一般的なプロセスについては「仲介会社のオークション入札型M&Aによる売却プロセスのすべて」をご覧ください。

つまり、デューデリジェンスの段階で「会社に問題点が見つかった」「売り手が宣伝していた会社の強みは大したことなかった」ことがバレると、デューデリジェンス後の価格交渉で減額要求を受けることになります。

この減額要求は入札前の比ではありません。なぜなら買い手はすでに一本化され、相互牽制が利かないので、買い手は思う存分値下げ要求をすることができます。

このような事態にならないためにも、情報は入札前に適切に開示すべきです。

インフォメーションメモランダムで最適な情報開示を!

入札前に適切に情報開示をするツールとして、「インフォメーションメモランダム(IM)」があります。

インフォメーションメモランダムとは、買い手がM&A対象会社を理解し、入札額を決定するために必要な情報を集めた冊子であり、買い手はこの情報を元に入札を考えていきます。

インフォメーションメモランダムの内容が乏しいと入札額の水準は低くなっていきますし、適切な情報がしっかり記載されていると高い価格が引き出せるようになります。

インフォメーションメモランダムは、まさにM&A価格を引き出す正念場ですので、決して手を抜かずに作っていきましょう。

インフォメーションメモランダムに記載すべき内容については「誠実な入札を引き出すインフォメーションメモランダムの項目と内容」をご覧ください。

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